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如月 蓮

きさらぎ れん

自分の過去の棚卸しの為に、小説やブログを書いています。
長年放置していた未完作品をコツコツ編集&更新して行こうと思います。

声の記憶。




よく、匂いで記憶が引き出されると聞くけれど、
私の場合、匂いの記憶なんて残ってはいなくて・・・



唯一思い出せるのは、声や言葉だけ。



私の人生に関わってきた人たちの声や言葉を、
不意に思い出す事がある。

そこから意図せぬまま記憶が引き摺り出され、
その頃の思い出に思考が持っていかれる瞬間がある。



何気ない仕草や言葉。

それらは、いちいち心に留まる事のないような、
ただの日常的なやり取りだと思ってたのに・・・



自分でも「よくこんな場面を覚えてるよね」と感心するくらい、
とても些細なやり取りの記憶が呼び起こされたりもするよ。



そして、そういう記憶に浸るのは嫌いじゃない。



愛しさや切なさを伝えてくれた人、

厳しく言葉をぶつけてきた人、

すがり付いてきた人、

「愛してる」や「さよなら」。



沢山の声。今でも鮮明に思い出せるよ。



だけど、私の声を覚えている人は居るのかな?



よく唄う私の声、思い出してくれる人は居るのだろうか。



私の声が好き、と言ってくれた人たちは
今でも私の声を覚えていてくれるのだろうか。


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