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フルーツロール

フルーツロール🍎です(*´∀`)🌹

名前の由来は、“その時食べたかったから”です。

どうぞよろしくお願い致しますm(__)m

小説は基本、ピカレクスロマン🔫の要素が強く、波瀾万丈な物語。そこから少しずつ、幸せを勝ち取っていくような物語だと思います🔫🍀

よろしかったら、フルーツロールの物語を、楽しんで頂けたらと思いますm(__)m

第四回ブログで感謝企画・GW特別編②🌠

第4回ブログで感謝企画・GW特別編①🌠の続きです――――*
―――――


「瑠璃さん!」


「あっ、絵梨ちゃん!」


瑠絵「…………。」


〝何だか、この呼び方とこのテンションに、覚えがある……――ホラ、ガヤガヤと、5人分の声が聞こえてくる……〟

――振り返る前に『まさかっ隼人たち5人?』『……うん。私もそう思った……』と、小声で話している2人である。

〝あぁ~もうっ!ヤケクソだぁ~!!〟と、覚悟を決めて、2人は振り返った。


瑠絵「…………。」


〝へ??隼人、光、亮、岬、千晴の……代わり、だよね……??……〟
振り返り、2人は目を点にした。そこにいたのは……――


瑠絵「〝アマリリス〟〝ニゲラ〟〝右京〟〝桐島〟〝澄橋〟……?!……」


〝どのように世界にMIXの薬が掛かったら、あの5人がこの5人になるの?!〟と、今のところ、一番の衝撃であった。
〝と言うか、誰が誰?!〟と、似ている要素が無さすぎて、全く予想がつかないのだった。

――だが話していくと、桐島がやたらと『瑠璃さん』と呼んでくるし、澄橋はやたらと『絵梨ちゃん』と……――
〝……――ゾッとするが、まさかこの2人が岬と千晴?!〟
――残酷な事に“当たり”であった。“いろいろ違いすぎだろう…”と、最早軽くトラウマになり兼ねない事態である。

――〝他は誰が誰?!〟と、眺めていると、ニゲラが絵梨に話す……――


ニ「クルーズ船に乗って、世界の花々を見て回らないか??」


絵「……〝自転車に乗って、コスモスを見に行かないか?〟の間違いじゃ……」


ニ「え??…――」


絵「………お姉ちゃん、多分ニゲラさん、光だ……」


瑠「………。そうきたか……と言うか、どうして悪ガキ5人組が揃いも揃って、歳上の兄さんたちになっちゃったんだろう……やりずら過ぎるっ……」


となると、アマリリスと右京が隼人か亮だ。


瑠「〝あの女に“サヨナラ”と平手打ちされた方〟が隼人だ……!」


するとアマリリスが、『瑠璃さん傷抉らないで下さい』と。どうやらアマリリスが隼人のようだ。
――となると、右京が亮の筈だ。


瑠「右京が亮なの?」


右「??……――〝亮大〟。」


瑠「………。多分〝亮〟だね」


絵「〝亮〟だね」


右「〝亮大〟ですって。……」


アマリリスが隼人、ニゲラが光、右京が亮、桐島が岬、澄橋が千晴らしいのだ。酷い人間シャッフルである。だが、アマリリスとニゲラなら助けてくれるのでは?と、一筋の光が。


瑠「アマリリスさん、ニゲラ!…どうしよう私たち、ミックストワールドに来ちゃったみたいなの!!」


するとアマリリスとニゲラは顔を見合わせた。


アマ「なら、漆黒の魔法使いの所にでも行ってみたらどうだ?」


〝漆黒の魔法使い?…―きっと漆黒の魔女の事だ!!〟


瑠「それだっ!さすがアマリリスさん!」


桐「あっ瑠璃さん!アマリリスのことばっかし褒めて!オレは?!」


瑠「っ?!“褒める”って上からですよ?!褒めませんよっ……!岬じゃなくて桐島さんだしっ……!……」


澄「フン!様ぁみろ彗星!……――なら瑠璃さん、オレは!?」


瑠「だからムリッ!!千晴じゃなくて澄橋さんじゃん…!!」


右「止せって、彗星、司。瑠璃さん困ってんだろう?」


瑠「亮ー!!」


右「〝大〟ね? 瑠璃さん、いつからオレの事そう呼ぶようになったんですか?」


瑠「右京は現実世界でも、亮みたいに振る舞ってくれても良いよ!」


右「はい?」


アマ「……――じゃあ瑠璃さん絵梨ちゃん、お気を付けて」


瑠「ありがとうございます!」


絵「本当の世界でまた会いましょう」


ニ「あっ、クルーズ船……」


〝だから自転車の間違いだって〟と言いながら、瑠璃と絵梨は5人に別れを告げた。

〝そう、漆黒の魔法使いの元へと行ってみよう!〟


――2人はあのビルを目指して走り出した。そう、漆黒の魔法使いの占い館があると思われるビルへと!!


〝戻らなきゃ!!本当の皆が待つ世界へと!戻らないと、このままじゃ、大切な人との絆も何もかも、全てを失ってしまう!!〟


――その時頭上に、赤い花びらが舞った…――


〝っ来た?!まさかレッド エンジェルとの出会い?!〟と、瑠璃と絵梨は、またもや嫌な予感がするのだった。


……そして案の定、『こんばんは』と男に声を掛けられる。
ハラハラとしながら、瑠璃は『誰ですか?』と振り返った。


瑠絵「…………。」


「――誰だと思う?君と会うのは初めてだね」


瑠「……いや、“初めて”、ではないかと……」


「え??……」


瑠「……海風さんですよね??……」


海「っ何故ボクの本当の名前を知っている?!」


瑠「……まさかウルフですか??……」


海「…――そう、それがボクのコードネーム」


瑠絵「〝違うから〟っ!!」


海「え??……――」


…――『キミにはコレを持っていてほしい』と、レッド エンジェルの紋章の入ったブレスレットを渡される。
『いや、〝持ってます〟』と、現実世界のブレスレットを見せてやるのだった。……――すると、『そうか、アクアが先に……――!』と。


海「おいアクア、話が違うじゃないか!」


すると……


瑠絵「…………。」


『何ですか?ウルフ』と言いながら、眼鏡を掛けた李羽が現れる。

〝あぁ~……雨神本部がレッド エンジェルなパターンだぁ~……〟

こちらが絶望している間に、アチラは『アクアがブレスレットを?』『知りませんよ』『なら誰が?!』と話をしている。

すると、『何ウルフ、ダッサ~い!!』と、嫌味に笑った楼姫が現れた。その傍らにはコウモリが。


瑠「まさかキャットとドール?!」


絵「……ドールポジションが翠玉と被ってる気がするけど……」


楼「ん?ちょっと何見てるのよ~!」


絵「っごめんなさい……!」


コ「フフ♪キャット怖~い♪」


楼「コラ!アンタも笑ってんな!ドール!」


――すると瑠璃が絵梨に『海風ウルフはきっと銃を持っているから、〝射程圏内からも逃げましょう〟!』と耳打ちをする。『分かった!』と絵梨。

――…そして海風ウルフが『手が届く距離にいなくても、射程圏内に……―』とか、ウルフのような事を話し終わる頃には……――


海「アレッ?!射程圏内にもいないじゃん?!ドコ行った?!」


楼「ウルフ、ダッサ~い!」


李「……――さっき逃げて行きましたよ。まぁ、今日の所は引いてみては?ウルフ」


コ「ドールもアクアに賛成~♪」


――こうして、雨神エンジェルから逃げ切った瑠璃と絵梨。

〝もう訳の分からない奴らに会う前に、占い館へと行きたい!!〟

2人は足を急がせる……――


――〝見えた!あのビルだ!!〟――


2人の口元は自然と綻ぶ……――〝きっと戻れる筈!!〟と、光が見えた。


だかその時2人の目の前に、陽介、雪哉、聖、純の4人が現れる。


瑠「陽介!聖!」


絵「雪哉!純!」


一瞬、喜んでしまった瑠璃と絵梨である。だがそう、きっとコイツらは……――


陽「一緒に来てもらおうか!」


瑠絵「っ?!きっとコイツ瑪瑙!」


雪「………はぁ~……絵梨ぃ……あっ、じゃなかった。柘榴……」


瑠「あそこでため息ついてる奴、きっと灰簾……」


聖「………雪哉、大丈夫か?」


絵「隣で慰めてる人、きっと黒曜……」


陽「お~い!!雪哉~?聖~?……――アイツら何やってんだよ!仕方ねぇな!行くぞ、純!」


純「言われずとも」


瑠「純がきっと黄玉……」


〝一緒に来てもらおうか!!〟と、アゲート陽介とトパーズ純が追ってくる……――

『キャャ~?!』と絶叫しながら、兎に角逃げる瑠璃と絵梨である。

――すると街の奥から、『雨神だっ!瑠璃と絵梨が危ねぇ!』と言いながら、瑪瑙と灰簾と黒曜と黄玉が走ってくる……――

〝いやお前らが雨神だろうが?!〟と、逃げながら2人はイラッとしているのだった。

――そうこう考えながら逃げていると、後ろでトパーズ純が無線で『誓、響、標的がそっちにいった』と話している。

〝まさか?!〟と思っていると、誓と響が現れたのだが、きっと誓と響は大鷹の2人だろう。――案の定、『鷹の子になれば?』とか『早く桃香ちゃん(豊ちゃん)に会いたい』とか言っている。

――するとそこに、木倉も犬榧もやって来た。――そして木倉と犬榧を見ながら陽介たちは『警察か?!』と言っている。

〝あんな警察がいてたまるか……!〟と心から腹立たしく思う。

そんな事を考えながら元いた道の方へと走っていくと、ウルフとキャットとアクアとドールが、海風ウルフと楼姫キャットと李羽アクアとコウモリドールと対峙している。
『レッド エンジェルめ!』『雨神め!』と言い合っている彼らを眺めながら、〝いやいや逆だからっ!!〟と、ツッコミを入れたくて仕方がない。
ウルフが楼姫キャットとコウモリドールへと、『そうか“姫”と言うんですね。美しい貴女に良く似合った名前だ。…――隣の君も、小さなお姫様だね!』などと言いながら、クスリと笑っている。――それを海風ウルフが『味方側の女たちにそういう事を言われると、オレらが胸くそ悪いだろう?!止めてくれないか?!』と。
〝いや、海風さんの人格のせいだよ?!〟と、通過しながら思っている瑠璃である。

――皆がゴチャ混ぜになってしまった、散々なミックストワールドだ。


陽「何で逃げるんだ?新リーダーじゃねぇのか?!」


純「……は?だから追ったのか?違ぇよ。新リーダーは……――」


『新リーダーは、コイツらだ』と言いながら、陽介に、“琥珀だと思われる南”と“翠玉だと思われる明美”を紹介している純である。
すると『私の代わり』と言いながら、“柘榴だと思われる百合乃”も出てくるのだった。
――そして陽介は誓と響にも無線で『あ~、人違いだった』と。そうして誓と響も足を止めた。


――〝散々な目に合った〟と、2人は細い路地裏で呼吸を整える。


すると『瑠璃さん!絵梨ちゃん!』と声を潜めて呼びながら、再びアマリリス、ニゲラ、右京、桐島、澄橋がやってきた。


アマ「やっぱりまだ、漆黒の魔法使いの所に行ってなかった」


右「2人が雨神の奴らに追われてるのを見掛けて……」


ニ「心配になって来たんだ」


桐「オレらについて来て下さい!またアイツらに絡まれたら面倒だから!」


澄「あのビルへの抜け道を知ってます!」


瑠「?!さすがっありがとうございます!」


絵「ありがとうございます!」


5人の案内で、瑠璃と絵梨はビルへの抜け道を駆け抜けて行く……―――途中、〝ニャー〟と鳴く〝カノープス〟と〝ワン!〟と鳴く〝シナモン〟が前を通過していくのだった。


瑠「犬がニャーって鳴いて、猫がワンッて?!」


桐「何言ってるんですか!瑠璃さん!犬はニャーで猫はワン、当たり前じゃないですか!」


瑠「っ?!」


絵「……。ミックストワールドの常識?!」


澄「ブラック バードのアジトは〝ニャーニャー〟と、レッド エンジェルのキャットの周りは〝ワンワン〟と!当たり前じゃないですか!」


アマ「――そんな常識を知らないなんて、本当に違う世界から来たんだな」


ニ「因みにこの世界では〝鷹〟は〝ヒヒィーン〟と鳴き、〝馬〟は〝ピィィー!〟と鳴く」


右「大鷹のアジトでは〝ヒヒィーン〟と鷹が飛び交い、グルファは〝ピィィー!〟と鳴きながら野を駆ける。…――当たり前ですよ?」


瑠絵「……当たり前…なんですね……」


――そう話しながら抜け道を進んで行くと、バッと大通りへと出る。そして目の前に、ようやくお目当てのビルが現れてた。

〝あの階段を上れば!!〟


瑠絵「っ?!……」


すると階段の前に、英二、東藤、夕、一弥、弥生の5人が立っている。
〝今度は誰?!〟と、瑠璃と絵梨は身構える……――するとアマリリスたち5人が生唾を飲み込みながら、『レッド エンジェルの暗殺部隊だっ…―!!』と。
――瑠璃と絵梨は『はい??』と、目を凝らしながら、5人を眺める……〝いや、男の割合が一人多いよ…〟と、そう思いながら。

〝一体、誰が誰?!〟

……――すると夕が、怪しく不適に笑い始める………


夕「あぁ~、お客様かなぁ?……――」


瑠絵「っ?!上柳ぃ~ー?!」


〝まさか上柳がピエロ~?!〟


するとスッと、階段に座っていた英二と東藤も立ち上がる。


東「英二、勝負だぜ?…――そこの女2人のHeart、先に射止めた方が勝ちだ。今日こそオレが勝つ!オレがNo.1だ!」


瑠絵「……はっ??ハート??……――」


英「あぁ。勝負してやっても良い。…――だがな叶也、オレはお前かオレがNo.1かNo.2なら、それで良いんだぜ?」


東「っ?!バカにしやがって!!そういう態度がムカつくんだよ!!」


瑠「……ファッ…ファックスとスネーク…」


絵「……“Heartを射止める”って、恋愛??それとも銃で心臓を?!」


〝と、なると……〟と、一弥と弥生を眺める瑠璃と絵梨である。すると……――


瑠絵「っ?!……――」


『良い夜だな。弥生』『一弥~!』『……――お前の唇毒くさい~♪』『キスだけじゃ死なせないのに~♪』……――と、一弥と弥生が月の光の下でキャハキャハ言っているのだった。

『っ?!動画でも撮って、現実世界の2人に見せてあげたいくらいだね……』と話しながらも、気味の悪さに思わず後ずさる瑠璃と絵梨だった。


〝兎に角、コイツら退かせないと、上へは上がれない!!〟


瑠「大丈夫!こっちにもアマリリス、ニゲラ、右京、桐島、澄橋がいる!!」


絵「この5人なら、対等に渡り合える筈!」


右「まさかっ?!オレらはただの一般人ですよ?!」


『うん…』と言って、アマリリスとニゲラと桐島と澄橋も頷いている。


瑠「へ?!アマリリスとニゲラと右京と桐島と澄橋のくせに?!」


アマ「もちろん守ってやりたいです。けど相手、エンジェルの暗殺部隊ですよ?一般人のオレらに出来る事なんて……――」


ニ「そうだ瑠璃さん!木倉さんと犬榧さんを呼びましょう!」


瑠「絶対に呼びませんっっ…―!!」


『え??どうして??』と、不思議そうにしている5人である。
――そして同じ流れで『そうだ絵梨ちゃん!灰簾センパンや黒曜センパンを呼ぼう!』と言われて、『呼ばないからっっ!!』となるのだった。
そしてまた5人は『えっ?』と。


するとそこへ……――


V「大丈夫か?!柴山!サルと一緒に助けに来たぜ!」


SP「誰がサルだ!お前こそサルだろう?!バンパイアじゃなくてサルパイア~!」


F「柴山、お前は海風(ウルフ)の大切な奴だから、助けに来た!」


SN「――フン。いつでもサポートするわ。ファックス。アンタが海風を大切に思っているように、アタシもアンタが大切だから」


P「2人とも、怪我はないか?……無事で良かった。――後は任せろ」


瑠絵「っ?!…あっ…ありがとうございます~……」


〝助けが来たけど変な汗かいた……〟と、苦笑いである。
〝東藤スネークの言葉を録音して、現実世界のファックスに聞かせてあげたいくらいだ…〟と思っている2人だった。


――さておき、バンパイアたちが一弥たちを押さえているうちにと、瑠璃と絵梨は階段を駆け上がる……――『アマリリスさんたち、ありがとうございました!』『そして隼人たち、アナタたちはやっぱし何だかんだで良い奴ら!アリガト~!』と、後ろを振り返り叫びながら。


そして7階へ。扉を開く……――


―バン!!


瑠「フルーツロールッ!!」


だがそこでは……――


瑠絵「っ?!」


隼「交渉決裂だな、岬」


岬「はぁ~?!隼人テメー!ブラック バードの頭であるオレが直々に交渉をしてるってのに、ソレはねぇーだろうが!フラワーの幹部ごときが生意気な!」


千「……落ち着け岬。……―――だが、考え直す気はないのか?隼人、光」


光「お前らと手を組む程、こちらは困ってはいない…――」


千「っ……――ハッ?!ダメだ。抑えろオレ……!!……だがフラワーの幹部というのは、相変わらず癇に触る奴らだなぁ……」


岬「おい亮!お前も何か言ってやれ!!」


亮「――あ?馴れ馴れしい。勘違いするな。オレはお前が嫌いだ……今回PTBがお前らと手を組むのは、キングが『そうしろ』って言うからだ……」


岬「っ?!このメンヘラ野郎が!!」


扉を開いたまま、目をパチパチとさせる瑠璃と絵梨である。
〝ヤバイ奴らの交渉の場を目撃してしまった…〟と、速やかに扉を閉めるのだった。

〝えっ?占い館どこ?〟と考えながら、8階へ。
するとそこに、【占い館】と書いてある。〝あった!〟と、2人は扉を開く……――


瑠「フルーツロール!!」


「はい?いや、“河童巻き”ですけど??」


瑠絵「…………」


〝どうしてこの人は、その名前にしたんだろうか?〟と思いながらも、〝まぁ何でもいいか〟と、本題を切り出す。


瑠「私たちミックストワールドに迷いこんでしまったんです!……――他の世界で、そこにある“世界の映し鏡”に“MIX”の薬をかけ、触れてしまったが為にっ!!」


絵「元の世界に戻して下さいっ!お願いしますっ!!」


漆黒の魔法使いこと河童巻きは、2人の話を聞きハッとした。棚にある〝世界〟と〝MIXの薬〟を眺めながら。


河「それは大変だっ!すぐに元の世界に戻る為の“おまじない”をしないといけない!」


瑠絵「っ?!よろしくお願いしますっ!」


そう話すと漆黒の魔法使いは、机に大きな☆のマークを描いた。その5つの角に火のついた蝋燭を立てる…――そして☆の真ん中に、〝あるべき世界へ〟と、青いインクのペンで書き込んだ。
――そしてこの部屋の〝世界の映し鏡である宇宙の絵〟を、☆の真ん中、字の上へと置いた。


河「さぁ、宇宙の絵の上へと手を置いて……――あちらの世界でも漆黒の魔法使いがこのまじないをしていれば、向こうの世界へと繋がる事が出来る」


絵「じゃあ、戻れるって決まった訳ではないんですか?!」


河「――けど大丈夫。きっと向こうの漆黒の魔法使いも、まじないを掛けているに違いない。
……――どうやら名前は違ったみたいだけど、この世界でボクだけ、〝ボクはボクのまま〟なんだ。世界の映し鏡の持ち主だからね。――だから分かる。“向こうの世界の漆黒の魔法使いも、まじないを掛けている筈”だってね」


瑠「なら良かった……」


河「…――だから後は、君たち次第だよ。〝今宵は瞳をとじて〟…――そして心で、本当の世界の中で最も愛する人の事を強く想うんだ。
瞳をとじたまま強く想い、心の中のその人に〝愛していると囁いて〟!!」


2人は瞳をとじると、心に強く愛する人を思い浮かべる。
――そして囁いた。『愛している』と…――


瞬間、2人の体はグラリと揺れる…――窓から差し込んでいた月の光が白く光る。白い光に包まれる……――『向こうのボクによろしくね』最後に聞こえたのは、漆黒の魔法使いのその言葉………――


――――*

2人は瞳をひらく。……――同じ部屋に立っていた。だが目の前にいるのはもう、漆黒の魔法使いではなく、漆黒の魔女だった。
…――見れば机には、★マークに5つの蝋燭、赤いインクのペンに、★の上には宇宙の絵があった。――これが漆黒の魔法使いが言っていた、〝同じまじない〟だろう。


瑠絵「フルーツロール?!」


フ「瑠璃!絵梨!あぁ……良かった……―!!」


3人は『良かった』と、部屋で互いを抱き締め合った。


絵「怖かったよ……―けど、河童巻きさんがまじないを掛けてくれてっ!!あっ、よろしく言っていたよ?河童巻きさんが…」


フ「……。河童巻き……」


『うん』と、大きく頷く瑠璃と絵梨だった。


――するとその時、部屋がノックされた。
『は~い』と返事をし、扉を開く。するとそこには『GW特別企画だから、皆で来たぞ~?』と言いながら、誓、響、陽介、雪哉、聖、純、ウルフ、キャット、アクア、ドールが立っている。


瑠絵「っ?!うわぁぁ~~?!」


W「何だよ?!」


雪「おい絵梨、どうした?」


皆不思議そうに、瑠璃と絵梨を眺めているのだった。――すると漆黒の魔女が『もう元の世界だよ』と、クスリと笑う。
『そうだった!』と、瑠璃と絵梨……――

『皆ぁ会いたかったよ~…』と、2人は泣きながら、大切な人たちの元へと駆けて行く。

『なに泣いてんだ?』『何だか知らねぇけど、元気出せよ。ケーキも買ってきたから』と、誓と響。
『今夜はパーティーで~す!』と陽介。

――『あっじゃあ、隼人たちも呼んでいい?』『もちろん』と、絵梨と雪哉。

瑠璃と絵梨は涙を拭う。

隼人たち5人も呼び、今夜は皆でパーティーだ。

――〝瞳をとじて、愛していると囁いた、愛しいあの人の隣で〟――



―――――【IN MIXED WORLD♡完】―――――*


ありがとう御座いました❇️では、また第五回と本編でお会い致しましょう🌠

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