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フルーツロール

フルーツロール🍎です(*´∀`)🌹

名前の由来は、“その時食べたかったから”です。

どうぞよろしくお願い致しますm(__)m

小説は基本、ピカレクスロマン🔫の要素が強く、波瀾万丈な物語。そこから少しずつ、幸せを勝ち取っていくような物語だと思います🔫🍀

よろしかったら、フルーツロールの物語を、楽しんで頂けたらと思いますm(__)m

第九回ブログで感謝企画①💗

皆様いつもありがとうございます!第九回ブログで感謝企画始まります!

今回の司会進行は、瑠璃、絵梨、百合乃、弥生女子会でお送り致します!


百「そうそう!第八回で聖たちが王様ゲーム風の劇をさせたでしょう?」


弥「またやるぞ!全ての女子よ喜べ!今回はなんと…―」


瑠「王道ラブストーリー劇場!」


絵「キュンキュンが詰まった物語!!」


百「今回こそキュンキュンとする女の娘の為のストーリーよ!!役はこれ!」


①魔法使いの相棒、ウサギさん
②血の繋がらない意地悪な母親
③町のオブジェの像の人
④可哀想なヒロイン
⑤優しい魔法使い
⑥王子様
⑦王子様のライバル(隣国の王子)
⑧狩人
⑨魔女
⑩刺客
⑪魔女の相棒、カラスさん
⑫王子様に想いを寄せる貴族の娘
⑬王子様に想いを寄せる貴族の娘パート2
⑭王子様に想いを寄せ、ヒロインを陥れようとする貴族の娘
⑮刺客パート2
⑯ヒロインの心の支え、猫さん
⑰敵
⑱敵パート2
⑲王子様の馬
⑳森の精霊さん
(21)王子の世話役(じぃや)


第九回も〝劇を完遂しないと本編の出番減らすぞ!〞とキャラたちを脅し、懲りずにランダムキャラくじ引き21連発⭐️いきます!出た順に上記の役に当てはめます!


百「フフフ!前回みたいのはごめんよ!キュンキュンする物語の筈だったのに、性別関わらずにいつも通りにランダムにした結果、ヒロイン役を敵側のボス♂に取られるという前回のあの屈辱…もう認めないわ!」


弥「私たちは今回こそ、キュンキュンとする王道ラブストーリーをするんだ!!今回男女でしっかりとくじを分けてやったさ!!」


〝王道ラブストーリーGET💖〞と、ガッツポーズを作っている女たち。――だが残念。こんな会話を隣の部屋から笑いをこらえながら聞いていた、雪哉、聖、陽介、純が『王道ラブストーリーの為に男女でくじ分けたって!(笑)』『必死すぎだろ!(笑)男女混ぜちまおうぜ?!』…――と言うことで、結局くじを男女ごちゃ混ぜの状態に戻しましたとさ。

…―そんな事も知らずに女たち、『王子様誰になるかな~♪』などとワクワクとしている。

――その頃の隣の部屋の四人。まだ耳を傾けながら、笑いを堪えている。


純「あいつら意外に乙女だったんだな…」


聖「…やっぱし女なんだな。男女でくじ分けたつもりだからワクワクしてる!」


雪「もしも分けたとしても、王子様役がジジィになる可能性があるじゃねーかよなぁ?」


陽「確かに!都合良くちゃんと王子様役が〝良い感じのお兄さんに当たる妄想〞してんぞアイツら!大丈夫か?!ガッカリするんじゃ…!」


純「いいじゃん。面白ぇし。てか、男女のくじごちゃ混ぜに戻した時点で…――」


聖「ちゃんとキュンキュンなストーリーになる確率がガタ落ちしております!」


雪「注意事項再び!!ランダムキャラくじ引きで役を決めるので、ジジィとジジィがジジィを取り合う役になる可能性も!はたまたババァに想いを寄せるババァになる可能性も!!――笑って流せる方のみ読むのをオススメするぜ!

だが言っておく!これはただの、ランダムで役を決め、キャラの個性を生かしつつ、本当に劇をさせるという〝茶番な劇⭐️〞だ!本編のキャラ同士の関係には全く関係ない〝劇〞だ!!

読む読まないは自己責任でお願いな!」


――そしてついに、何も知らない女たちがくじを引き始めました。さぁ、誰が何の役になるかな?――

――くじ引き中💖――


絵「では発表します」


①魔法使いの相棒、ウサギさん【瑠璃】
②血の繋がらない意地悪な母親【さくら】
③町のオブジェの像の人【有凛】
④可哀想なヒロイン【月】
⑤優しい魔法使い【スパイダー】
⑥王子様【海風】
⑦王子様のライバル(隣国の王子)【楓】
⑧狩人【千華】
⑨魔女【明美】
⑩刺客【イベリス】
⑪魔女の相棒、カラスさん【雪哉】
⑫王子様に想いを寄せる貴族の娘【キャット】
⑬王子様に想いを寄せる貴族の娘パート2【英二】
⑭王子様に想いを寄せ、ヒロインを陥れようとする貴族の娘【ウルフ】
⑮刺客パート2【弥生】
⑯ヒロインの心の支え、猫さん【アマリリス】
⑰敵【照】
⑱敵パート2【龍】
⑲王子様の馬【緑】
⑳森の精霊さん【霧滝】
(21)王子の世話役(じぃや)【澄橋】


瑠絵百弥「えっ?!…―」


〝④可哀想なヒロイン【月】〞


次の瞬間、『ヒロイン枠寄越せや月ィィ~~!!』と、女たちの怒号が響くのだった。


――女たちは怒りの黒いオーラを放っている。〝ちゃんと男女分けた筈だったのに、ところどころ性別違うんですけど?!〟と。だが仕方がない。これがランダムくじ引きの神様が定めた運命である👼🍎


絵「ヒロインは月…王子様は海風さんだね…」


弥「王子はヒロイン、貴族の娘1、2、3からモテモテ設定だぞ!…―が、その中にキャットしか本当の女の娘がいないという結果に…」


百「王子当選したにも関わらずに、月と同様、海風からも漂う被害者感…」


瑠「ここでヒロイン月と王子海風について、軽く紹介していきましょう。

〝月 忍〟元暴走族、ブラック オーシャン、幹部の右腕ですね。歳は二十代前半。

彼は1本筋が通った、THE男な感じですね。エルボーとかラリアットとかかますようなパワフルさ。

男友達ばかりとつるんでいて、良い奴なのに、女の娘の気持ちはまったく分からないといったタイプでしょう。だが良い奴!

美形大好きマリ姉に『忍くんどう?』と言ったらなら『男臭い感じはムリって言ったじゃないの~』って、言われる事でしょう。

ランダムのせいでヒロインになりました。事故です⭐️謝罪致します。」


百「〝 海風〟チャイニーズマフィア雨神の幹部。二十代後半。

ニコッて笑ったり冷めた目をしたりと、何を考えているのか良く分からない。敵に回したくないタイプ!あっ、敵だった…

彼はちょくちょく見た目や雰囲気の描写があるので、本編から引用してきましょう。

【黒髪ハーフアップ】【手の甲に羅針盤とイルカのタトゥー】【ミステリアスで妖美】楼姫いわく、【話し方や笑い方が上品で清涼感の様なものが漂っている。まるで貴公子のよう】

という事で、月がTHE男な兄ちゃん。海風は綺麗なお兄さん。まぁ海風は役あってなくもないかもね」


弥「月と海風。名前だけは仲良さそうだな!」


絵「ではそろそろ上演開始です。ヒロインも貴族の娘もほぼ〝男〞だなんて、気のせいです。キュンキュンして下さい」


瑠「王道シンデレラストーリーの始まりっ…――あっ、やっぱり可笑しいって…」


〝シンデレラストーリーの始まり!〟だと、そう言おうとしたその時、バンと扉が開き、バカ四人が部屋へと入ってきた。


百「何しに来たの?!」


雪「〝王道シンデレラLOVEストーリー!!〞」


陽「サブタイトル⭐️〝キュンキュンするかと思いきや!野郎×野郎になっちゃったよ大惨事😨気持ち悪くならないように必死な忍と海風を観察しようの回!!☆〞」


瑠「サブタイトルが既にラブストーリーから外れて明後日の方向!!」


弥「開演で~す!!」



――――⭐️


あるところに、美しくも可哀想な娘がいました。
娘は父親の再婚相手である血の繋がらない母親に、毎日毎日意地悪をされていたのです…――


桜「ニャー!!ニャニャニャー!!ニャニャー!!」(コラ忍!!新しいキャットタワー買ってこいって言ったでしょうが!!ほら、高級ネコ缶持ってきな!!)


忍「は?!ネコ?!母親役のサクラって、キャットの飼ってるネコだったのか?!――いや何て言ってんのかサッパリ分からねぇ…?!」


〝何なんだよ…〟とため息をつきながら、サクラの頭を撫でる忍…――すると、『ニャー!!』〝レディに気安く触るなー!!〞と、ピョーン⭐️と跳ねたサクラにネコパンチで殴られる。『ぅお~?!』と言いながら、床へと片手を突く忍。

…―義理の母親から殴られ、可哀想な娘は床へと倒れ込んだ。

〝あんまりだっ!何てワガママそうで気性の荒いネコッ…飼い主にそっくり!!〟…床へと倒れ込みながら、意地悪な母親を見上げる忍…――だが母親は容赦がない。『シャー!!』〝ヒロイン泥棒!!出て行けー!!〟と、忍に罵声を浴びせると、夜の街へと忍を追い出してしまったのだ。


――こうして忍は母親から家を追い出されてしまいました。

〝もう限界!〟…―娘は泣きながら夜の街を駆けて行きます。

――そして忍は足を止めました。この街を一人で見まもり続けている、街の像、美しい有凛像の前で。


忍「ぅっ(泣)…―アナタは強いよな。有凛像……こうしていつも一人で、街を見守っているんだろう…オレはそんなに…強くなれないよ…!」


忍は一人、像の足元に座り込みながら泣いています。――するとその時、〝泣かないで〟と、彼女の耳に綺麗な女性の声が響いて聞こえました。
『え?誰だ?』と、辺りを見渡す忍。
だがそこには、誰もいません。〝まさか?!〟と忍は顔を上げました。
――すると顔を上げた先に、優しく微笑む女性がいました。


忍「まさかアナタは有凛像の精?!」


有「えぇ。そうよ。…―アナタはいつもここで泣いているでしょう?ずっと見ていたのよ」


忍「けど何で像であるアナタが言葉を?!」


有「おっちょこちょいな魔法使い、スパイダーが魔法の粉をうっかりと溢していったのよ。きっとそのおかげ!魔法使いの相棒のウサギの瑠璃が後ろから歩いて、スパイダーの落としていった粉を拾って行ったんだけど、それでも全ては拾い切れずに残っていたみたい!…―私はその魔法の粉のおかげで話が出来るの!」


忍「おぉスゲェ有凛さん!第八回も今回も、おそらく全員、ほぼ台本を無視するだろうに…――そんな中で一人、完璧な台本通りのセリフ!」


〝よく覚えられますねぇ!頭良いー!〟と、拍手をしている忍だった。

――さておき劇⭐️有凛像の精は言いました。『元気を出して。ずっと見守っているわ。――あぁ、そうそう、西の緑豊かな森に行ってみるのです。きっと良いことがあるわ!』と。


忍「西の森に?そこに何が?」


忍は問いかけました。けれど像から返事は返ってきません。『有凛像?』…―けれどやはり、返事は返ってきません。
〝可笑しいなぁ〟と思っていると、今度は像の後ろから『話し掛けたって無駄だぜ』と、そう男の人の声がしました。忍は像の後ろを覗き込みます…――するとそこには、赤毛のネコ、アマリリスがいました。


忍「お!今度はネコが喋った!」


アマ「像から聞いただろう?オレもスパイダーの溢した粉を浴びたのさ」


忍「お前もか!…―あっそうだ。何で有凛像は話さなくなった?」


するとアマリリスネコは雲に隠れた月を指差しました。


アマ「月が出てないと無効になる魔法なのさ」


忍「ならお前は何で?」


アマ「オレの掛かった粉は万能な魔法の粉だったのさ!――なぁ、西の森に行くんだろう?一緒に行こうぜ!」


こうして忍は有凛像が教えてくれた通り、西の森を目指します。街で出会った気の良いネコと共に。

――緑豊かな森を目指します。けれどいくら緑豊かな森だと言っても、今は夜です。娘は『危なくないスか?』と、不安げです。
だがするとネコが言うのです。『いや危なくねぇよ。何やかんやで上手くいく設定の筈だ!』と。『なに劇のネタバレしてんスか?!』…――二人は森を目指す。

二人は森の入り口へとやって来ました。――するとそこに、霧滝が立っている。


霧「お前らが来るのは分かっていたぞ?」


忍アマ「来たか?!刺客?!」


霧「いや〝オレは精霊だ〞。ついて来い、娘。」


忍「へ??」


そして『案内は任せろ』と言いながら、精霊さんは銃を取り出しました。
〝やはり刺客か?!〞と、後退る忍とアマリリス。
だが霧滝は言いました。『だから精霊だ!森の中へと案内してやろう!これは護身の為の銃だ!』と。
どうやら精霊さんは、光の力❇️とか何とかとか言うキラキラとしたモノで守ってくれる訳ではなく、〝銃〞という物理で守ってくれるらしいのだ。


忍「頼もしい!!」


娘とネコは、武器を引っ提げた精霊さんに導かれていくのでした…――

――『ホラ、ここの家を使うといい』と、森の精霊に導かれた先に一軒の家がありました。

忍とネコは家へと足を踏み入れ、中を見渡します。

一体誰の家なのか?中は綺麗に片付いており、フカフカのベットまであります。


霧「母親の暴力に堪え忍びながらも、優しさを忘れぬ健気な娘よ。これはオレからのプレゼントだ。好きに使うといい。」


忍「お!!精霊さん!!ありがとうございます!!」


霧「とても良い返事だな。別にいいのだが…――何て言うかお前、体育会系なヒロインだな。なぜ当選した??…」


忍「好き好んで当選なんてしねぇッスよ!!ッッたり前じゃないスか!!」


こうして母親に追い出された娘は、ネコと共に精霊さんに与えられた森の家で暮らし始めました。
その夜娘はネコと共に安心して眠りにつきます。『最初グーじゃんけんポン!!』『っしゃ!!オレがベット~!!…―リリス兄さんはネコなんだからソファーで充分!!』『…――何だかこのソファー、ゴツゴツしてるぞ!』と言ったようにだ。夜は更けていく。


――
―――

その頃お城では、王子様の結婚相手を決める為の舞踏会が開かれておりました。

――綺麗に着飾った貴族や王族の娘たちと順番に踊りますが、海風王子の心を満たす娘はおりません。

海風王子は一人、二階のベランダで夜風に当たりながらため息をついています。

すると執事の澄橋がやって来て、『王子、素敵な女性は見付かりましたか?』と。だがやはり、王子は浮かない顔で首を横に振るばかりです。するとそこに…――


C「海風さまー!!」


王子に想いを寄せる貴族の娘たち、キャット、英二、ウルフがやって来ました。――海風王子は振り返る。


C「王子に想いを寄せる貴族の娘1、デレデレ担当キャットよ!海風どう?私が一番可愛いでしょう!」


〝私が一番可愛いでしょう!〟――すると海風はキャットと英二とウルフを順番に見てから答えます。


海「間違いなく一番可愛いよ」


執事もキャットと英二とウルフを順番に見てから、とてもとても大きく頷きました。


英「王子に想いを寄せる貴族の娘2、ツンデレ担当!英二!☆よろしく海風!お前キャットひいきすんなよ!オレ娘役だぜ!」


海「いらないね…―」


W「王子に想いを寄せ、ヒロインを陥れようとする貴族の娘3、ヤンデレ担当⭐️ウルフだ!海風覚悟しろ!ヤンデレは怖ぇぞ!」


海「キミもいらないね…―」


海風王子に想いを寄せる貴族の娘たち、デレデレ担当キャット、ツンデレ担当英二、ヤンデレ担当ウルフの登場だ。…――王子は顔色が優れません。王子は思っていました。〝ブログを使った主人公側からの精神攻撃だろうか…なんて恐ろしい…〟と。

『海風様~♪』キャットのデレデレ攻撃。『海風様なんて好きじゃねーもん!!…って、いうのはうっ嘘で…』英二のツンデレ攻撃。『海風様…選んでくれないなら、刺します…――』ウルフのヤンデレ攻撃。

ゾッとして、英二とウルフから後退る海風と澄橋だった。


海「もうこんなの嫌だ!(切実に思っている)…舞踏会なんて必要ない…オレは自分で運命の女性を捜しに行く!」


澄「海風様?!」


海「じぃや後は任せたよ?――オレは出掛けてくる」


澄「オレは〝じぃや〞のつもりはない!〝執事〞!!」


――パッと台本を開いて確認する海風。
台本【王子は舞踏会を抜け出す。※アワアワとする執事を残して颯爽と】

〝颯爽と抜け出す?〟…―海風は辺りを見渡した。ここは二階のベランダだ。そして前にはクレイジーな貴族の娘たち…―

〝さぁ、どうやって颯爽と舞踏会を抜け出す??〟

『じぃや後は任せたよ?――オレは出掛けてくる』と、そうじぃやに話すと王子は、サッと自身の髪から髪紐を取りました。

――嫌な予感がした執事と貴族の娘たちは、王子から一歩後退ります。

王子はその髪紐を引きちぎります。――それが髪紐の留め金具に隠された、小型爆弾発動の条件なのです。

王子は髪紐を放ります。そして『キャー!!』と、キャットの悲鳴が響く中、放られた髪紐から目眩ましの光が放たれます――

――ピカーンッ!!❇️


海「じゃ、じぃやお願いねー!」


澄「こんな王子があるかー?!マフィアな部分を出すな海風~!!」


アワアワとする執事を残し、マフィアの海風さん…――いや、王子海風様は二階のベランダの手摺を飛び越え一旦下の階のベランダへと下り立つと、再び手摺を飛び越えて、城から颯爽と抜け出していくのでした。そう、運命の女性を捜す為に。


海「…――上手く抜け出せたよ。さぁ行こう、緑」


緑「え、海風様、今からお出掛け?――さてはまた抜け出したのね!悪い人!」


王子は愛馬緑を連れて、城を出て行くのでした…――


――部屋へと朝の柔らかい光が差し込みます。
その光に優しく照らされ、忍は目を覚ましました。忍が目を覚ますと、リリスネコも起きて伸びをします。

バッと窓を開き『さぁ新しい一日の始まりだぜ!!今日は一体、どんな事が待っているかな!!』と忍。…―そして最後に口癖なのかなんなのか『っしゃぁ!!』と。〝よし!〟が〝よっしゃあ!〟になり〝っしゃぁ!〟になるらしい。〝最後のそれ、絶対にいらないだろう〞。だから精霊に〝体育会系のヒロイン〞などと言われるのだ。

――そしてリリスもどちらかと言えば体育会系だろう。〝起きて伸びをします〟と、だってネコ役だから。体を伸ばし始めたと思ったら、首とか背中とかポキポキ言わせている。…―そしてリリスも『しゃぁ』と。

〝だからお前たち、何が〝しゃぁ〞なんだ?〞

――こうして野郎二人の朝がキタ⭐️。


――精霊さんは気が利くもので、家にパンとジャム、果物などを置いておいてくれたらしい。


忍「精霊気ぃ利く!!パンと果物!…――リリス兄さん、飯足ります?!」


アマ「これ女子のオヤツだな。…――釣りでも行くか?!」


忍「いいッスね!行きやッしょー!!」


どうらや娘とネコは釣りに行くらしい。
だがすると、精霊さんからテレパシーで〝シンデレラストーリーで釣りに行くヒロインは斬新すぎるぞ〟と。『え??――』と忍とリリス。
するとまた〝釣りはないだろうが。花摘みとかにしとけ〟と。『えぇ~…』と忍とリリス。

――するとその時、バッと家の扉が開く。そこには銃を持った精霊さん。


霧「花摘みにしろバカ共!威嚇射撃ブッ放たれてーか!!」


忍アマ「どっちが斬新だよ?!」


〝精霊が銃を所持とは斬新すぎる!!〟と思っている忍とリリスであった。


――こうして朝食を済ませた後、娘とネコは森へと花摘みに向かいました。
『花摘みって乙女かよ…』などと不満を漏らしながら、娘とネコは森の中の花畑へとやって来ました。

忍は『はぁ~…付き合い切れねぇ。なぁ!リリス兄さん!』と、ため息混じりに同意を求め、リリスへと振り向く。だが…――


忍「あれ?!リリス兄さんどこ?!」


〝リリスが消えた?!〟と思っていたところ、リリスはいち早く花畑の中で…――


アマ「――リリィと、結婚できる、結婚出来ない、結婚できる、出来ない、出k…――」


〝花占いをしていた〞。

〝リリス兄さん何で途端に乙女になってんの?!〟と、目を丸くしている忍だった。――だが次第に伝染するように…――


忍「――可愛い彼女が、出来る、出来ない、出来る、出来ない…」


忍も花占いを始めたのだった。

そして忍は顔を青くした。『出来ない?!縁起悪っ!!』どうやら花占いの結果が悪かったらしい。

『気にすんな!花占いなんて当たらねーよ♪』とか言ってきながら、リリスがやけに機嫌が良い。〝いやお前、絶対ぇ花占いの結果良かっただろう??〟と思っている忍だった。

『はぁ~これが現実…』と、ため息をつきながら、忍は花畑の中で顔を上げました。

――すると花畑の先に、立派な身形をした馬を連れた青年が立っておりました。
振り向いた彼と、視線が絡む。――なんということでしょう。あのお方は一国の王子、海風様です。


忍「ぅわっコレが現実!可愛い彼女も出来ずに、何故か劇で野郎とシンデレラストーリーをやらされるオレッ…――!!」


アマ「それ泣けるな…」


――そして、忍の泣ける心情を無視して、劇の語りは進んでいく。【瞳と瞳が絡み合った瞬間、二人は恋に落ちました。】――と、言ったようにだ。どうやらもう恋に落ちた設定のようである。〝この語りなに言ってんの?!〟と、泣きたい思いである。

愛馬緑を連れ、王子は娘へと歩み寄ります。
――海風はバッと台本を開きます。そして絶望します。台本のセリフが容赦なく娘を口説いているからです。
『緑さん…』と、思わず緑に助けを求める海風。
そして忍も『緑さん…』と、思わず緑に助けを求める。


海「緑さんヒロインになって下さい…」


忍「それか王子になって下さい…」


緑「何これモテ期??代わりたいのは山々だけど、それはご法度なのよね…」


――するとその時精霊が『劇をしろ!』と。鬼である。

『キミはなんて美しい女性なんだ。アナタこそ、ボクが捜し求めていた人だ。お名前を教えてはくれないでしょうか?…―』―〝ブログを使った主人公側からの精神攻撃がエグい…〟と、やはりそう思いながら、王子は台本通りに話しました。
――これは照れ隠しでしょうか?王子は地面に咲いた花の方を見てばかり、娘をまったく見ておりません。

するとリリスが海風の見ていた花を指差しながら、『あぁ名前?この花“オキザリス”』と。


海「オキザリス!なんて可愛らしい!」


忍「追い詰められた海風が、花と恋を始めた…」


――こうして娘と王子は出会い、恋に落ちました。だが彼らはまだ知りませんでした。これから数々の試練が待ち受けていようとは――



―――空には厚く黒い雲が広がり、唸るような雷の音がゴロゴロといっています。

――薄暗く不気味な屋敷で、魔女明美は屋敷に隠された不思議の泉へと、貴族の娘ウルフの血を一滴たらしました。

貴族の娘ウルフは針で刺した指を撫でながら、『本当にこれでいいんだろうな!』と。


明「もちろん!この泉にアンタの血を一滴垂らせば、アンタの望みが見えてくる!そして、その望みを叶える為の魔法が使えるようになるのさ!――ねぇ!白谷!」


すると魔女の相棒、カラスの雪哉も答えます。『明美様の言葉に嘘はない!…―ホラ驚いたか?鳥であるオレが言葉を話せるのも明美様の魔法のお陰なんだぜ!』と。


W「カラスのくせに白谷 雪哉だと?しかも略して〝白雪〞のくせに!」


雪「白は何にでも染まるのさ!!」


明「オッホホホホ!!このカラスは私のカワイイ相棒!名前は白くても見た目の通り真っ黒さぁ!…――それに私の元へと来ておいて、なぁに言ってるのかな~?可愛い迷える子羊ちゃ~ん?ホォラ?泉がアンタの望みを映し出し始めた!アンタは何としても王子の心が欲しいんだろー!だから私の元へと来たのさー!!」


――ドーン!ピシャリ―!!と雷鳴が響く。雷の怪しい光を浴びながら、魔女は高い声で笑った――

――魔女たちは泉を覗き込む。
するとそこに海風王子と見知らぬ娘の姿が映った。

『ああ…海風様、この娘は一体誰!こんな身分も低いただの街娘を相手に!』と、娘ウルフの表情が、悲しみと怒りに歪みます。


明「その悲しみと憎しみが魔法の為の材料になるのさ!さぁもっと憎しみをあらわにしてしまいなさい!」


――*第九回ブログで感謝企画②💗へ続きます。

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