雑誌のライター(36歳女)×女性用風俗店キャスト兼オーナー(28歳男)の、人生に少しだけ不器用に生きてきた二人が惹かれ合って恋に落ちる話。
大人の性愛をメインテーマに描いたラブストーリー。

物語全体のあらすじ


 フリーライターの紬は、最近隠れたブームになっていると噂の女性用風俗店への取材のオファーを受けた。

 利用客とキャストへインタビュー、そして店にシステムなどを聞く一般的な取材だった。

 編集長から打診が来たとき、身なりに無頓着で色気もない自分に性風俗の記事を書くことなんて務まらないと難色を示した。けれど、編集長の「なんでも受けるがモットーじゃねぇのか?」という一言で、受けることになってしまった。

 取材の場所は、クライアントからの指定で、高級シティホテル。そんなに取材費を出せないと伝えるも、宣伝を兼ねているので風俗店持ちと言われた。


 本来なら、ここで怪しいと疑うべきだった。


 当日、ホテルに現れたのは店のNO.2だというKai。

 インタビューのはずが、店を使う女の気持ちになるためにガウンに着替えろと開口一番命令される。躊躇していたが「あんた、プロのライターなんだろ。そんなことも出来ないのか?」と言われ、元来負けず嫌いな紬は「わかりました。私もやります、プロなんで」と承諾する。

 インタビューを続行しようとした紬だったが、ベッドの端まで追い詰められてしまう。よく見ると、細いきれいな指だった。所作もなめらかで、その指で性感マッサージをされる自分の姿を想像してしまう。こんなのはおかしいと思った紬は、kaiを突き飛ばしホテルを逃げるように後にした。


 翌日、編集長に呼ばれ取材をドタキャンしたことを咎められた紬は、先方の事務所へお詫びに行った。

 派遣型風俗店のため、殺風景な事務所かと思ったが、至る所に花が生けてありその中にkaiがいた。

 オーナーを呼び出すも自分がオーナーだと言う。

 再び取材を申し込むも、ホテルで取材をするならと、交換条件を出されてしまい渋々了承する。


「殻に閉じこもっている女性を花咲かせるのが俺たちの役目」というkaiの言葉が印象的だった。

 そして、紬の花を咲かせたいと個人レッスンの打診をされ、二人で会うことになるのだが――。


 なぜ、kaiは紬を気に掛けて個人レッスンを申し出たのか?

 紬は触れ合う度に募る思いを素直に告げることが出来るのか?

 人生に少しだけ不器用な二人が惹かれ合い、成長して行きながら結ばれるまでの話です。