結婚したくない魔術師は世界を敵に回す

作者AKIO

 

              物語のあらすじ 


 ギーヴ・ゼタライト。十八歳の誕生日を迎えた彼を絶望が待っていた。それは、お見合いであり、結婚だった。この世界に生きる全ての人間には二十歳になると魔族へと変貌する呪いがかけられていた。その呪いは『つがいの契約』を行った夫婦が毎日二時間触れ合うことで人間であることを許される。この呪いは夫婦を持って乗り越える人類にかせれた試練であるとされているため結婚が絶対の法であった。

 

 ギーヴは魔術の研究が趣味で人に知られてはいけない実験や禁忌を犯していた。結婚などして研究時間が削られるのも秘密がばれるリスクが高まるのも願い下げだった。だからこそ禁忌とされている呪いを解除を研究していた。

 

 だが、時間切れだった。長女テレシアとの約束で十八歳の誕生を迎えたら見合いをすることになっていた。テレシアは誕生日当日に見合いをセッティングしていた。結婚する気のないギーヴは見合い相手に嫌われようと、過剰な貧乏揺すりをしたりセクハラをしたりと必死だった。

 

 最初の見合い相手を難なくクリアしたギーヴだったが、翌日にセッティングされていたクレア・アスモートは強敵だった。重度の戦闘狂で見合い相手を殺している経歴を持っている彼女との見合いは決闘だった。

 

 弱さをアピール出来れば簡単だったが、前回の見合いでお痛をしたギーヴはテレシアの監視が厳しくなっていた。あからさまに非協力的な態度を取ればテレシアに殺されかねない。そんなギーヴは嫌われながら勝つ方法として、クレアを裸にして池に落とし、濡れた体に大量の砂をぶっかける暴挙に出る。

 

 それでも怯まないクレアをギーヴは浴室に転移させてそこで土下座した。テレシアの目が届かないところで結婚したくないことを告げて断ってもらえるように懇願する。その結果、結婚に抗うギーヴに興味を持ったクレアはテレシアに進言し婚約することとなる。

 

 婚約することになったが、結婚まで半年間の猶予を得たギーヴは呪いの研究を加速させる。そして売人より購入した少女の死体で人体実験を行い、死霊魔法による魔人化を成功させる。これによって、死者の魔人化であれば呪いの影響を受けないことがわかり、ギーヴは魔人化させた少女に死霊魔法を伝授して自分を魔人化させることにした。

 

 しかし、魔人化には魔人に死体が必要だった。そこで主人公と魔人化した少女の二人は魔人狩りを開始する