異世界の闇市が凄すぎた件

作者AKIO

 高校受験に失敗した工藤優一は家族にも恋人にも見放されてしまう。階段を踏み外した彼は異世界へと転生することになる。転生した場所は闇市。人が奴隷として売られ異形の生物が闊歩する世界だった。

 

 工藤はその世界で闇市という特殊なスキルを持っていた。本来、転移できないはずの闇市へ転移できる力。その能力を買われて闇市のオーナーであるトルドの元で働くこととなる。工藤に課せられた任務は他勢力の闇市へコネクションを作り、いつでも転移できるようにしておくこと。トルドは工藤を使い闇市の襲撃を企てるのだった。


 工藤は任務のパートナーとして奴隷を選ぶように言われ、当たり障りのない少女クイナを選んだ。工藤とクイナは裏の世界で名前を売るために闇ギルドに登録して依頼をこなしていくことになる。


 闇ギルドで人攫いの実力を認められた工藤は人魚狩りの仕事を提案される。この世界の人魚は人も食べ、かなり強い魔物だった。だから捕獲するものも少なく需要過多な状態が続いていたのだ。


 苦労の末、人魚狩りを達成した工藤は闇市からも闇ギルドからも依頼が殺到し、人魚狩りという名で業界に轟くこととなる。しかし、人魚はそれほど大量に捕獲できるものではなく、トルドの思惑から闇市への供給を優先させてしまう。


 その結果、工藤は闇ギルドを支える有力貴族たちに目をつけられてしまい刺客を送り込まれてしまう。力だけでは従わない工藤に貴族たちは、トルドとつながっている情報を持ち出し脅迫してくる。トルドは自分の管理する闇市の人魚を全て貴族に融通することで決着。


 しかし、結果的に闇ギルドに弱みを握られてしまったトルドは計画の進行を早めることを決断。そんな折、王国の第一王子が従軍中に死去し、第一王女に女王の可能性が生まれた。トルドは王女に近しい騎士の奴隷を保有しており、工藤と騎士を使って王女に接触を図る。


 そして、工藤はクイナと騎士と共に王女の対抗馬である第二王子はの有力貴族を王女側へ寝返らせるため暗躍することとなる。


 新女王が誕生し王国の後ろ盾を得たトルドは、工藤の得たコネクションを使い周辺の闇市を一斉に襲撃。鬼神トルドの名は世界中に知れ渡ることになった。


 そして、トルドの台頭を良く思わない三大闇市の一角が動き出し、闇市同士の全面戦争が勃発する。