檻に囚われた神獣は、運命と共に光を求める

作者白澤木兎

α・β・Ωの第二性が発見される数千年前の時代。人々はまだ第二性の存在を知らず、男女のみで性がわかれていたが、唯一男でありながら男を惑わし、子を孕めるΩ男性だけが「神獣」と呼ばれ、獣として扱われていた。

宮廷で将軍を務める青年・柳俊瑛は、見回りの最中、とある強姦事に遭遇して大怪我を負い、事件からふ…

〈ストーリー概要及び物語の設定〉


α・β・Ωの第二性が発見される数千年前の時代。人々はまだ第二性の存在を知らず、男女のみで性がわかれていたが、唯一男でありながら男を惑わし、子を孕めるΩ男性だけが「神獣」と呼ばれ、獣として扱われていた。


宮廷で将軍を務める青年・柳俊瑛は、見回りの最中に起きた事件で負った怪我が原因で、事件からふた月が経過しても「気の喪失」が原因で寝台から起き上がれないでいた。最も効果のある治療法は、「神獣との交合」。神獣嫌いな俊瑛はその治療を断るが、使用人の李陵により、白髪の美しい神獣・白が連れて来られる。白の甘い誘惑に負け、彼を抱いた俊瑛。うなじを噛みたい衝動に駆られるも、白に拒否され結局最後まで俊瑛が白の首を噛むことはなかった。


その後体調を回復させた俊瑛は、市場にて白と再会する。しかし素顔の彼は、あの夜とは違ってぶっきらぼう。しかも医療に通じ、仲間の為を思って行動するという優しさも備えていた。自分の持つ神獣のイメージとかけ離れた白と接する中で、俊瑛は神獣の抱える苦しみを知り、彼らを差別から解放したいと思うようになる。