曽祖父の代から産婦人科の産院を経営している家の次女、文月京香は従兄弟で7つ年上の医大生の文月律が小さい頃から好きだった。だけど、従兄弟同士の恋愛や結婚には否定的な家族の手前、その気持ちは秘密で誰にも言っていない。
 商社に勤める父の転勤に合わせ子供の頃から国内を始め海外で生活したこともある中條太…

わたしのあの恋は本物でした。


でも、恋というのは多分、これはわたしの個人的な意見ですが、一方的なものだと思うんです。


わたしのあれは恋でした。


でも、愛ではなかった。


<本文より抜粋>