『出来心という名の贈り物』

作者招家猫助

あらすじ
 通学の満員電車で、男達に痴漢をさせておこずかいを稼いでいる女子高生の由愛。今日の獲物は堅物のエリートサラリーマン哲也だった・・・
 堅物の哲也は由愛と痴漢の独占契約を結ぶよう申し出る。自分以外の男には痴漢をさせないのが計約内容である。由愛も固定給?が入るならと了解するが・・・哲也が毎朝…

通学の満員電車で、男達に痴漢をさせておこずかいを稼いでいる女子高生の由愛。今日の獲物は堅物のエリートサラリーマン哲也だった・・・

 堅物の哲也は由愛と痴漢の独占契約を結ぶよう申し出る。自分以外の男には痴漢をさせないのが計約内容である。由愛も固定給?が入るならと了解するが・・・哲也が毎朝要求するのは、痴漢行為では無く、車内でマンツーマンで勉強を教える事、嫌がらず素直に勉強を教わる事だった。

 以来、時々放課後や休みに疑似親娘のようなデートを重ねる事になる。

 妻や娘と離れ、単身赴任の寂しさを紛らわすため・・・

 一方、母ひとり娘ひとりでありながら、母からの愛を受けられない娘。

 離婚を告げられた男は、勤めを辞めて由愛の前から姿を消し、片田舎で蕎麦屋を開いていた。

 料理の専門学校に通う由愛は、いつも何処かに哲也の姿を探していた。

 卒業を控えた旅の途中で、小さな駅で偶然降りた由愛は、哲也が好きだった蕎麦の事を思い出し、一軒の蕎麦屋の暖簾をくぐる。

 そこが哲也の店だとも知らずに・・・

 店先には『店員募集』の張り紙が貼られていた。