『江戸町奉行なんでもやる方(かた)』自身番の居候

作者招家猫助

神谷守直(かみやもりなお)は関ヶ原の合戦から続く御家人の家柄ではあるが、平和な時代となって貧乏が板に付いている。北町奉行所・与力職に就くもお勤めよりも袖の下を集める事に日々精を出している。
酒井忠之(さかいただゆき)は代々続く裕福な造り酒屋の次男坊。実家の商いを継ぐことは出来ないので、金に物を言わ…

神谷守直(かみやもりなお)は関ヶ原の合戦から続く御家人の家柄ではあるが、平和な時代となって貧乏が板に付いている。北町奉行所・与力職に就くもお勤めよりも袖の下を集める事に日々精を出している。

酒井忠之(さかいただゆき)は代々続く裕福な造り酒屋の次男坊。実家の商いを継ぐことは出来ないので、金に物を言わせて御家人株を買い商人から武士になった。こちらも南町奉行所・与力職を買ったものの、武士の心得など持ち合わせておらず、暇を持て余し遊興に明け暮れていた。

お互い・・・南北奉行所より出仕(出勤)無用と邪魔者扱いを受けている。

二人は自身番に居候を決め込む。

いつでも暇にしている二人を見かねて、町人達が身の回りに起こるチョットした問題の解決を持ち込んで来るようになる。

相次ぐ奉公人の家出に人手不足に困り果てた商家が二人にアルバイトを頼んで来る。

守直は武家商売、片や忠之は働いた事の無いボンボン。

雇ったつもりが足手まといに・・・

奉公人の家出は番頭のモラハラ・セクハラに原因があると知った二人は、逃げ出した奉公人を探しだし、連れ戻す事にした。


番頭に難はあっても主人はよく出来た人物なのだ、番頭にキツイお灸を据えて店の改革を促す。

奉行所からの御手当は打ち切られ、自分達で喰い扶ちを稼がなくてはならなくなる。

自分達で南北奉行所の出張所として独立した部署「なんでもやる方(かた)」を開業。

町衆から満ち込まれるドブさらい、子守りから殺人の捜査までなんでもやる便利屋を始めた。