二〇〇〇年。
国内では犯罪歴のある者とその家族を低い身分、「劣証」と呼び、劣証以外の者で地位や能力を認められた者は「優証」とする優劣分離政策なるものが執行されていた。
医大生の佐藤春はある日、電車の脱線事故に遭い死に掛けるが、ギーク財団団員、アオという少女に助けられ命拾いする。
ギーク財団は表向きは政界に忠実でありながら、アメリカ、協働党直下の組織であり、後に政界を牛耳る計画をしていた。
財団は春に、政治家である父の機密データを盗ませることを企てるが、春の母親が令和時代の切り裂きジャック、ヒルに殺害され状況は一変する。ヒルは劣証からの反逆を意味する犯行を繰り返していた。
春は財団でハッキング技術と専属医としての技能を買われ、国外の政界機密データのハッキングと、負傷した団員の手当てをすることになる。
五ヵ月後。財団はFBIの動きを鑑み、春の抹殺が決定。同時期、ヒルによってある病院内に爆弾が設置される。
春はハッキングにより爆弾を解除するが、ヒルに刺され死に掛け、アオの輸血で再び九死に一生を得る。代わりに瀕死の状態となったアオを助けるため、春はFBIと手を組み、アオとの別れを決意する。