そのノック、聴こえていますか。

作者高松李子

 佐藤ナギサは高校一年生。
いじめに遭ったつらい過去があり、ある精神科医との出会いで生まれ変わった。
そんなある夜、空室からのノック音を耳にし、恐怖にかられ友人、恵那の家に泊まることに。そこで憧れの石川先輩と顔を合わせる。恵那は石川先輩の妹だったのだ。
 石川先輩にノック音の相談をした時、ナギサは…

 佐藤ナギサは高校一年生。

いじめに遭ったつらい過去があり、ある精神科医との出会いで生まれ変わった。

そんなある夜、空室からのノック音を耳にし、恐怖にかられ友人、恵那の家に泊まることに。そこで憧れの石川先輩と顔を合わせる。恵那は石川先輩の妹だったのだ。

 石川先輩にノック音の相談をした時、ナギサは気にしていたことを話す。それは七年前、ナギサが病院で会った闘病中の子供のことだった。その子が幽霊になってノックをしているのかも、怯えるナギサに彼は部屋に行きたいと話す。

 二人で現場へ向かうと、そこにはナギサの他にもノック音を耳にした者がいた。そこでナギサが名推理を披露し、ノック音の謎と音の出所となった部屋を訪ねる。するとナギサは親友、葉子との再会を叶える。

 葉子はナギサにどれほど感謝していたか話し、そこで石川も七年前、ナギサが出会っていた子供は自身であり、初恋だと言う。

 ナギサは心の持ちようで人は変われること、愛される存在であることを実感するのだった。