「必ず白浜家が握っている機密情報を手に入れて父さんに流せよ?」心底軽蔑している父親にそう命じられて名門・白浜家の御曹司、白浜拓海と政略結婚することになった梨華は、一計を案じる。このスパイ行動を上手く相手方に露見させることができたら、自分もろとも父親を破滅させることが出来るのではないだろうかと。実は…
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「必ず白浜家が握っている機密情報を手に入れて父さんに流せよ?」心底軽蔑している父親にそう命じられて名門・白浜家の御曹司、白浜拓海と政略結婚することになった梨華は、一計を案じる。このスパイ行動を上手く相手方に露見させることができたら、自分もろとも父親を破滅させることが出来るのではないだろうかと。実は、梨華はかつて自分が偶然手に入れた情報を父親に悪用され、企業を潰したり株で大儲けしたりされてしまったことがある。幼い頃は自分が何をしてしまったのか理解していなかったが、成長して自分の犯した罪の重さを理解した梨華は罪悪感に耐えきれなくなっていた。だからこの機会を利用して自分たちを断罪してもらおうと、梨華は勝手に資料を漁った痕跡を残してみたり、見せつけるように何度も実家に行ってみたり、拓海に異様に媚びてみたりした。ここまでやれば不審に思われるだろうと思ったのに、なぜか夫の拓海は梨華を疑う素振りがなく、しかも甘やかしてくれる。ぼんくらだと噂の彼だから、何も気付いていないの? そんなことをされたら、余計に罪悪感が凄いんですけれど!? しかし、実は彼の行動の裏には、梨華の知らない事実が隠されていた――。