皇帝の愛剣は、実は見捨てられた妃でした

作者桜香えるる

村娘アリス・フェルミは偶然村に来た皇帝・クロードに気に入られて後宮入りを果たすというシンデレラストーリーを駆け上がったが、結局一度も皇帝のお渡りがないままに後宮を出されることが決まる。「このまま別れて原作通りになるなんて嫌よ!」実はアリスは転生者で、この世界は小説の世界で、アリスは原作知識を利用し…

村娘アリス・フェルミは偶然村に来た皇帝・クロードに気に入られて後宮入りを果たすというシンデレラストーリーを駆け上がったが、結局一度も皇帝のお渡りがないままに後宮を出されることが決まる。「このまま別れて原作通りになるなんて嫌よ!」実はアリスは転生者で、この世界は小説の世界で、アリスは原作知識を利用して愛するクロードを死の運命から救うために彼のそばにいたかったのだ。そこでアリスは、自分に流れる「剣人」という種族の血を活かして自分の身を剣(聖剣)に変え、皇帝の愛剣として彼の一番近くで彼を守ることにする。一方、クロードは自分の下した選択に悩んでいた。愛するアリスが敵の多い自分の最愛だと知られて危険に晒されることを防ぐために遠ざけたが、最愛の人に会えないことはあまりにも苦しいと。そう、彼がアリスを後宮から出したのは最愛の人であるがゆえだったのだ。彼女は故郷で安全に暮らしていると心を慰める彼は、献上された剣を気に入り腰に佩く。実はそれが最愛の人で、自分が彼女を戦場のど真ん中に連れて行っているなどとはつゆほども思わずに……。これは互いに想い合い、守りたいと思うがゆえにすれ違ってしまった二人の恋物語。