町はずれにある薬剤店の店主、アルテル=レッドファーンは巷の噂によれば、黒魔法の研究をしている魔術師であったり、生き物や臓物をビンに詰めて眺めることに喜びを感じる異常者であったり、生き血をすする悪鬼であったりする。
そんな悪評轟く彼の元に、世間知らずな元お嬢様、シェンティーナ(シェラ)が下働きにやって来た。彼女が目の当たりにしたアルテルの実体は、無頓着でずぼらだけれど、心優しい青年だった。
彼女はそんなアルテルの世話を焼くことに徐々に幸せを見出して行く。
ただし、献身的な彼女のことを、アルテルは少年だと信じて疑わないのであった。