花鳥雲月録~乙女と不機嫌な護り人~

作者五十鈴りく

記憶を持たないまま寝台の上で目覚めた乙女は、護衛だという青年ルーシュイより、自分は鸞君(らんくん)と呼ばれる存在であると告げられた。この朋皇国(ほうしんこく)の皇帝の御世を支える力を持つとのことで、その務めに支障をきたさないように記憶を消されたのだという。自らの名前すら思い出せない乙女は、ルーシュ…

記憶を持たないまま寝台の上で目覚めた乙女は、護衛だという青年ルーシュイより、自分は鸞君らんくんと呼ばれる存在であると告げられた。


この朋皇国ほうしんこくの皇帝の御世を支える力を持つとのことで、その務めに支障をきたさないように記憶を消されたのだという。自らの名前すら思い出せない乙女は、ルーシュイよりレイレイという名をもらう。


ルーシュイはレイレイを大切に扱ってくれるけれど、優しい微笑をたたえつつもルーシュイは常にどこか冷めていて……。


しかし、力に目覚めたレイレイはそんなルーシュイさえも振り回し、職務に励むのであった。


花のように可憐な風貌を持ちつつも小鳥ほどに奔放な乙女と、輝きを放ちつつも雲に隠れたがる月のような青年との物語。