何もかも嫌になって、いつもと反対方向の電車に飛び乗った――。
大学を卒業して社会人になって、何より仕事を優先して生きていたら三十歳を過ぎていた、田中ゆかり。
今の自分みたいになりたくて、こんなに頑張って来たんだっけ。
こんな未来を描いていたのかな……。
何もかもに疲れて、
気付けば、逃げ出すように反対方向の電車に乗っていた――。
つい頑張り過ぎてしまう自分が、急に虚しくなる。