津川
×
久住
――涼は、何も分かってない。10年も一緒にいたのにね。
女の子よりも同性の友人のように付き合って来た、要の知らない顔。
上京して入学した大学で、要とは出会った。
人付き合いはあまり得意ではないけれど、要だけは、何故か気負いなく一緒にいられた友達だったのに。
「友達……? 俺は一度も友達だなんて思ったことはない」
いつだって、波立つことのない心を持っている人だと思っていた。
本当は、穏やかな水面の下に激情を隠し持つ人だった。
※ 無理矢理シーンもありますので、苦手な方は閲覧ご注意ください。
《表紙は、表紙メーカーを使用して作成しています》