前世魔王の追放舞姫は、最強の勇者皇帝に復讐したい……のに溺愛されています！？

王太子から婚約破棄され国外追放されたリコット・フレーア公爵令嬢は歓喜した。これでついに復讐の旅に出られるわ、と。実は彼女の前世は勇者に倒された魔王。憎き勇者への復讐を誓っていたものの、妃教育や舞姫という役職に縛られて自由に動けなかった。そんな折に冤罪とはいえ追放してくれたのは僥倖でしかなく、リコットは勇者の祖国・飛竜大国に赴く。かつて幼さを残す皇子だった勇者・朱雀は、今や立派な一国の皇帝。これならば復讐しがいがあると思ったのもつかの間、なぜか朱雀は無気力な皇帝に成り下がり、臣下からも侮られている始末。しかもリコットに抵抗することなく、殺してくれて構わないと言い放つ。「今の情けないあなたには復讐するに相応しい価値はないわ。魔王を殺したのは最強の勇者でなくてはならないし、私が復讐を果たす相手も最強の勇者でなくてはならないの！」リコットは皇帝の後宮に「杏花妃」として入宮し、風変わりな妃たちやテレパシーで喋りかけてくる聖剣（前世の自分を殺した凶器）などと協力して彼を最強の皇帝へと押し上げていくことに。全てはいずれ最高の形で彼を殺して前世の無念を晴らすため……なのだけれど、何で溺愛されているの？