美貌のあやかし、余理(より)と、恋に落ちてしまった、宗孝(むねたか)は、毎夜、二人の時を過ごしている。

ある日、余理が、都の噂を、宗孝に語るが、それは、鬼が、羅城門から琵琶を吊るすという奇っ怪な話だった。

宗孝は、突拍子もないと相手にしないが、勤め上の相棒である、噂好きの公達、頼近(よりちか)…