追憶の探偵【完結】

作者兎束作哉



――――名探偵には相棒が必要だ――――





探偵事務所を持ちながら、売れない探偵の明智春あけち はるは、元ピアニストで現名探偵の神津恭かみづ ゆきの幼馴染みであり、相棒であり、恋人だった。



十年間という長い間離ればなれだったこともあり、神津に中々素直になれない明智は曖昧な恋人として彼の隣にいる状況。


空白の十年、そして二年前の出来事――――



「僕がピアノをやめた理由教えたらさ、春ちゃんが警察やめた理由教えてくれる?」

「俺がどんな思いで十年間待っていたかなんて、お前は知らないだろうな」



互いに何処か踏み込めないでいる明智と神津は、捌剣やつるぎ市で起る事件を解決していき、空白の十年を埋めようと歩み寄っていくのだが……