ともにいられる喜びをかみしめていて二人を襲ったのは、異界に住む残りの一族・獣人たちだった――「お前を一族に取り入れて力を我が一族のものにする」


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「幸せとは、個人の想いによるものであろう?」



“鬼さん” ――晃雅コウガとともに“異界”に訪れた白雪。


女房の萩乃とともに穏やかに過ごしていた。


晃雅からの想いにいまだに応えることをしない白雪に焦らされながら、それでも白雪が笑ってくれるならとぬるい関係に浸ってきた二人に、突然襲い掛かるものがあった。



獣人――それは、人の体を持ちながらも体の一部が獣のそれを持った“異形”と言われる存在たちが突然白雪をさらったのだ。


抵抗空く、白雪はそのまま獣人が支配する土地に連れ去られてしまう。



そこで白雪は突然、獣人の若き長に求婚されて――?



「我らは“お前”が欲しいのではない。お前の持っている“鬼姫の力”が欲しいのだ」


「私は欠陥品です。そして、あなた方が嫌う“人”です。相容れない存在を、引き込むのはやめたほうがよろしいのではないでしょうか」



蜜月に入りたいと思っていた晃雅の前に立ち塞がるそれに、彼はひたすらにぶち当たる。



鬼×人間×獣人



その愛は、本物?

それとも――偽物?



「やっと、この腕に取り戻せた……白雪」


「心配をかけてしまって、ごめんなさい、晃雅様……」






※表紙画像は素材サイト“dream fantasy”様より。