幾年千歳の花ぞ散る【完】

作者緋紗羅

こんな運命ならば、もういらないと願ったのに。それでも愛そう。お前だけを。
さぁ、はたしてこの愛は惨めか幸せか。どうぞ、あなた様の目でお見極めを――。

――――ねぇ、お願い



どこにも行かないで



せめて私の傍に居て






――――ねぇ、頼みますよ



一人で逝きなさるな



俺を置いて孤独には








そう言えればどれほど良かったか






共に逝ければどれほど良かったか







叶わないとわかっているけれど






この想いだけはどうか












あなたの傍に














幾年千歳の花ぞ散る