お爺さんは小説を書いた。
完璧な小説を書けば、
自分で自分が納得出来ると信じて。
ねぇ、お爺さん…小説を書き終えたら、どうするの?
『私が生きた証が、やっと手に入るだけだよ』
そうなんだ。それって嬉しいの?
『今はまだ、その先の景色は真っ暗で、なかなかだね』