夏伐さやか

永遠の愛はあるの?
数年前に母を病気で亡くした主人公・奏葉。
父が母を忘れて、すぐに別の女と暮らし始めたことをずっと許していない。

意地を張って、継母が毎日作ってくれる料理を食べなかったり冷たく当たったり。
普通なら継母も意地悪を仕返すところだけど、そうはならずにいつも悲しそうにするだけ。そしてまた懲りずにご飯を用意していてくれる。

継母の親戚の男の子・真宏は、そんな奏葉を最初は嫌っていたのに、家族に対する冷たい態度とは違う優しい一面を見て、徐々に放っておけなくなる。

でも奏葉は、父が母を忘れていったように、永遠に自分を好きではいられないと真宏を頑なに拒んで…。

恋愛も描かれていますが、家族愛も繊細に描かれていて、深いテーマに感動してしまいました。
下巻まで、ずっと泣いていたような…。
飽きずに読ませてしまう文章力に圧倒。

この作品を読み終わり、自分の苦手な人にも幸せを願いたくなるほど優しい気持ちになれました。
そして、星になってしまった人たちのことを思い出しました。

学校や家族のことで悩んでいる学生のかたへ
特におすすめです。