「立てる?」
長身の体をかがめて、彼が手を差し伸べた。
「ありがとう」
大きな温かい手に引かれて、私は立ち上がる。
「オレのこと---- 覚えてない?」
初めて会うはずの、彼の言葉。
ワケもわからず、顔を見上げた。
切れ長で真っ黒な、澄んだ瞳、
形のいい唇は優しく弧を描いている。
少し長めの黒髪は風でキレイに流れて
日本的な面立ちを一層惹きたてていた。
-----あなたは、誰?------
彼の瞳に、微かに映る私の姿を見つめていた。
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神崎 嵐・・・・霊能力一族21代目当主。
東山第二中学校3年生。
※この物語はフィクションです。
お話に登場する学校名や団体名は実在しません。
※性描写あります。