- 最終更新日
- 2008/12/26
- 作品公開日
- 2008/10/23
- ページ数
- 完結 79ページ
- 文字数
- 11,318文字
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- 流星
二人の「夜明け」 この作品を読み始めた時、片思いの女性(花井さん)をDVから救い出す、主人公の男性のヒーロー的物語かと思いました。 DV彼氏から逃れられない花井さんには、「どうして我慢するの?」と疑問を投げかけ、主人公の男性には「頑張れ!」とエールを送りながら、読み進めました。 案外あっけなく、花井さんは彼氏と無事破局成立。 その後自然の成り行きで、主人公と結ばれたわけですが・・・。 こうすんなり話がうまく進んできたのには、大きな理由がありました。 花井さんの性癖。 主人公は愛するがゆえに要求を拒み、自分なりの愛し方を貫いてゆこうと決意しますが・・・。 そこで物語は終わっていますが、この後二人の見た夜明けが幻なんかではなく、確かな朝日を見られるよう願わずにはいられない、そんな作品でした。 そして一見爽やかな作風ですが、時折見られる凝った表現にはひきつけられます。 「柔らかな暗闇」 「揺り籠のような狂気」 「生温かい真空」 まるでヴィジュアル系バンドの歌詞に出てきそうな、素敵な表現でした。 私ももっと表現力を磨かなければ・・・って刺激を受けました。
- きょうこ
人って難しい。 人間の性(さが)について 考えさせられる作品だったような気がします。 淡々と語られる華やかではない日常 ほのかで美しい恋心や 静かに熱を帯びる正義感 それと同時に日常に潜む狂気 欲情と悦楽 嫉妬、焦燥、不安など 矛盾するどちらをも抱えた登場人物達は 酷く生々しく感じます。 ラストに記された『夜明け』はそれも 光のさす展望と一抹の不安 その両方を内包していて 重たいくせに目に鮮やかな 色濃い朱色をイメージさせるように思いました。
- airu
アンビバレント! 冒頭から、読み手を惹きつけるテーマと2人の関係に更新を楽しみにしてました。 主人公の男らしく懸命な心理描写を良く捉えた文章に「坂本ファン」となりました。 裏切らない展開の まさかなラスト! 2人の愛し合いたいのに矛盾する感情が リアルにヘビーで考えさせられました。 夜明けの暁、両面的な 価値ありますね……。 行村サンのタイトルセンスに絶賛です。 余韻に浸る度に 坂本さんの愛する男心がぐっと切ないです。