作品コメント
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- 流星
二人の「夜明け」
この作品を読み始めた時、片思いの女性(花井さん)をDVから救い出す、主人公の男性のヒーロー的物語かと思いました。
DV彼氏から逃れられない花井さんには、「どうして我慢するの?」と疑問を投げかけ、主人公の男性には「頑張れ!」とエールを送りながら、読み進めました。
案外あっけなく、花井さんは彼氏と無事破局成立。
その後自然の成り行きで、主人公と結ばれたわけですが・・・。
こうすんなり話がうまく進んできたのには、大きな理由がありました。
花井さんの性癖。
主人公は愛するがゆえに要求を拒み、自分なりの愛し方を貫いてゆこうと決意しますが・・・。
そこで物語は終わっていますが、この後二人の見た夜明けが幻なんかではなく、確かな朝日を見られるよう願わずにはいられない、そんな作品でした。
そして一見爽やかな作風ですが、時折見られる凝った表現にはひきつけられます。
「柔らかな暗闇」
「揺り籠のような狂気」
「生温かい真空」
まるでヴィジュアル系バンドの歌詞に出てきそうな、素敵な表現でした。
私ももっと表現力を磨かなければ・・・って刺激を受けました。 - きょうこ
人って難しい。
人間の性(さが)について
考えさせられる作品だったような気がします。
淡々と語られる華やかではない日常
ほのかで美しい恋心や
静かに熱を帯びる正義感
それと同時に日常に潜む狂気
欲情と悦楽
嫉妬、焦燥、不安など
矛盾するどちらをも抱えた登場人物達は
酷く生々しく感じます。
ラストに記された『夜明け』はそれも
光のさす展望と一抹の不安
その両方を内包していて
重たいくせに目に鮮やかな
色濃い朱色をイメージさせるように思いました。 - airu
アンビバレント!
冒頭から、読み手を惹きつけるテーマと2人の関係に更新を楽しみにしてました。
主人公の男らしく懸命な心理描写を良く捉えた文章に「坂本ファン」となりました。
裏切らない展開の
まさかなラスト!
2人の愛し合いたいのに矛盾する感情が
リアルにヘビーで考えさせられました。
夜明けの暁、両面的な
価値ありますね……。
行村サンのタイトルセンスに絶賛です。
余韻に浸る度に
坂本さんの愛する男心がぐっと切ないです。