菜子

おとなだからこそ。
おとなって、みんなぴしっとしてて間違いなんてなくて仕事がきつくても休んだりしなくて理不尽に誰かを叱ったりして。
それでも不意に誰かに溺れたくなるような時がある。そういう瞬間を丁寧な描写と繊細な言葉で切り取ったものが本作のようになるのではないか、と思った。
おとなだからこそ、不器用で、みんなが精一杯で、だけどそれを隠そうとして。

仕事や細かい設定も噛み砕いてわかりやすく説明されるし、するするページが進む。あんまりない感じが新鮮ですごくおもしろい。