作品コメント
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- mimiko
少女はいつの間にか女性になり、翻弄し惑わし、そしてポンと勝手に開花するのです
兄、征太郎に手を引かれるように大きくなった美和子が、
いつの間にかひとりの女になり、憧れの先であった征太郎をも置いて、
色鮮やかに花開く様を見せてもらえる、そんな物語……。
相変わらずの世界観は見事なものです。
春なら、文中にずっと桜の花びらが舞い落ちているような。
秋ならススキの穂があるかなしかの風にゆれて、さわさわと歌っているようでしょうか……。
花の盛りの美和子さんは、華やかで儚く美しく。
兄の征太郎さんは思わず、一瞬の宵闇に身を任せ、その手を取ってみたけれど、
すぐに訪れてしまった陽炎のなかで、尚、輝く宝物を見つけてしまったような、そんな戸惑いに心を揺さぶられます。
女性は男性の知らない間に、大人になって美しく変わっていくのですね。
いつも兄の征太郎さんの後を追いかけていた美和子さんが、いつの間にか成長して、征太郎さんの心を追い抜いていく様が、
切なく見事に歌いあげられていて、読んでいて心地よかったです。
傑作でした。 - 伊織
愛
異母兄弟である美和子と征太郎。
二人はいつも一緒に生きてきた。
年頃になって、互いに想い、想われ人ができたとき、二人の関係が変化を遂げる。
兄としてなのか、男としてなのか、美和子の募る想い。
そして、そんな美和子を愛おしく感じる征太郎。
けれど、最後は・・・・
穏やかな日常の中にある激しい想いや、家族としての愛。
そして、明治時代という雰囲気を十分に漂わせたこの作品は、読者をひきつけます。
素敵な作品でした。 - 蘭
胸が苦しくなりました。
わたしも大好きなお兄さんがいるので、美和子ちゃんの気持ちがすごいわかります。
このお話の終わり方、とても好きです。
それと直之くんがいてくれて、美和子ちゃんの支えがいてよかったです。 - 華音
切なく…
妹の兄に対するほのかな恋、兄を想いながらも彼女と一緒にとすすめるその行動に何だかとても切なくなりました。