罪故に君を愛す

作者名無し太郎

幼い罪の記憶、それは三人をいつまでも苛む。歪な姉妹愛、罪と言う名の愛情が渦巻く

罪故に君を愛す。幼い罪は今でも自分を苛む。一体いつからだろうか?


許されない罪の記憶。綾瀬帯人はある事件を起こしてしまった。


帯人の幼馴染の君島綾、麻耶、二人の姉妹に対して取り返しのつかない事をしてしまったのだ。


ある昼下がり、幼い三人は森を探索する事となった。幼い冒険心。その冒険心が三人を深く苛むとも知らずに…


「ねぇもう帰ろ〜よ〜」


「まだ来たばっかじゃん!」


「そうよ、綾まだ来た所じゃない?」


「えぇでも暗いし怖いしやだよ〜」


「せっかくだし、もっと奥に行ってみようぜ?」


「お母さんに怒られるよ!」


「なによ!綾の意気地なし!」


二人はそそくさと進んで行く。この時、やめて置けば良かったのだ。


「待って!きゃあぁぁ!」


「「綾!」」


綾は足を滑らせて崖から数m下に落ちてしまった。


「待ってろ綾!誰か呼んでくる!」


「うぅ痛いよぅ…」


「待ってて今、帯人が誰か呼びに行ってるから!」


「痛い…」


幸い近くを通りがかった大人に助けを求める事が出来た。


すぐに助け上げる事が出来た。だが…


「治療が早かったので命に別状ありませんが…しかし、今後通常通り歩くのは困難でしょう。」


綾の両親は落胆し此方に侮蔑の目を向けてくる。


幼いながらにやってしまった事実に胸が潰されそうである。


「違うの!私が勝手に落ちただけなの!だから二人を責めないで!」


そう言う綾の言葉に更に罪悪感が沸き起こる。


かくして歪な歪んだ三角関係は出来上がったのである。