前任者はデータ収集の後、死亡。厳密に言えば自分の手で殺したのだが…
「困ったわぁ…どれもこれも被験体には適さないわぁ…」
「どうした?えらく困ってるじゃないか?君らしくもない。」
同僚のエージェントからそんな言葉を投げかけられる始末である。
「新薬のデータ収集を優先し過ぎちゃって適当なのが居ないのよ。」
「ハハッ!君の地区は新薬開発の為の優先特区だからね。」
「どれもこれもデータ取りには適さないわ。」
「しかし、いざとなったら他所の地区から人材を引っぱり込めば良いじゃないか?」
「でも、それだとAランクの狩人が望ましいわ。」
狩人は様々なデータから幾つかのランクに分け管理されている。本来なら地域毎で人材を捻出するのだが、想定外に持ち回り者が死亡してしまった場合、データに基づき狩人を招集出来る。しかし、かなり厳しい制限が設けられている。何故なら、組織の基本方針としてQと国民の接触を極力排除すると言うものがある。
つまり、第一の目的としてQの排除が最優先事項であり、いくら新薬開発特区とは言え例外は無いのだ。
「そう言えば、言い忘れてたけど我らのBOSSから君にお呼びが掛かっているよ?」