赤く照る満月の夜に

作者SARA

幾千年も昔に世を滅ぼすと言われた者、そしてその者からこの世を守ると言われた、相容れない二つの存在が現代の世で絡み合うお話。





「私は、逆らえない。」






「それでもお前を想う。」






「いつか必ず報いを受けることになる。」






「そんなものは、遠の昔に受けている。」








「どうせ散りゆくならば、共に。」







そう手を差し伸べる、美しき妖(あやかし)。



幾千年も昔、封じられた力。



今ここに、今私の元へ。



因果が絡み合う、現代の世へ。



抗えない、一族の掟。