絃と凜久は血の繋がった姉弟だ。しかし絃の『弟の一番になりたい』という歪んだ欲望のせいで二人の関係性は徐々に拗れていく――。





いつからか、


私のことを『お姉ちゃん』と呼ばなくなった。




いつからか、じっと見られることが多くなった。




……目が合うと気まずくなるのはいつからだろう。





「ねえ、気付いてるんでしょ?」





―――気付いた時には、もう遅い。