「姫 迷わず先へお行きなさい。私共がお守り致します。さぁ早くこの場から、お行きなさい」
涙目ながらに「爺何を申すか?私は爺と離れません。生きても自由もなく、誰にとも愛されなければ生きる事もありますまい。爺と共に倒れのが私の使命…爺私を捨てないで」泣き崩れる「駄目だお前は私の大切な子孫、必ずしもお前を守る奴が現れる。お前は生き伸びろ、爺の最後の我儘だと思い離れておくれ」「さぁ連れて行け、追っ手はもうすぐ来る、さぁ皆の者覚悟を決めて行くぞ 頼んだぞ必ず姫を守り通せ」私の頭にキスを落としそう言って爺達は私と別れて敵を待ち伏せしていた。泣きじゃくる私に「姫ごめん」と言い腹部を右拳でツキ意識が無くなる。「では、ご無事でまた逢える日まで姫をお守り致します」五人の若者 がでかい男が私を肩に乗せ素早く立ち去る。七人の戦士達。彼は爺が鍛え抜いた十二人の内の七人今背負って走ってるのが、力持ちで怪力大窯戦士大助がっちりとした背の高い男、爺と最後に交わしたのが頭が良く素早い動きをする美しい顔を持つ男、剣の達人と妖術が使える壮士さん私らより先を走って居るのが、身軽な双剣士陽君壮士の直ぐ近くにいるのが又兵衛、壮士の相棒彼は二刀流また陽の兄である。木々を渡り空にいるのが、弓の名手 和 、陽とは幼馴染みでもあり、二人は目で会話が出来る、今は姿を見せず先回りをしているもの、爺の一番弟子の一夜さんその隣に居るのが一夜の妹の有さん彼女は、身体とも私に似ていて剣の達人でもある。三股ハズレの町にある宿でこの姫を引き連れた五人を待って居るの。陽が壮士に手紙を渡す、走りながら壮士が目を通しふっと息を手紙にかけた。手紙は燃えて散る。「つまらぬ顔だどうした」又兵衛が言う。「親方が重症だ何とか一軍は止めたが、中に凄腕の物が二人いてその1人にやられたみたいだ」「何だとでは追っ手は」「そうだ、後ろから来てるみたいだ」「くっそう 俺が戻ろう」「嫌やめとけ今は先へ急ぐ彼奴が起きると煩いぞ」「くっそう」さてどうしたものぞ、彼奴が起きたら、どう話すべきか?まずは一夜さんと合流するか。山をいくつ超えたのか京の都に着いた。そこに一夜の妹有がいた。「有 兄上は」「はいこちらです」皆が着いて行く。少し古びた宿に入る。辺りを気にしながら又兵衛が宿に入る。和は二階の窓から入る。姫をそっと布団に寝かせると「ご苦労出会ったお前達」そう言って一夜が入ってきた。「はっ」皆が言う。先程知らせがきて、内容は、親方が重症だと、姫にはまだ伝えておりませぬ」「二人程凄腕が居るようで」「そうか、まだ姫には伝えるな、きっと親方は無理だろう、姫には酷すぎる私等も手に負えないかもしれないなぁ」「私等が仇を取る」大助が言う。「早まるでない大助敵の動きを見てやるんだ、姫を守るのは私等しかもう居ないのだから、「最後の手段は兄上私をお使い下さい」「何を言うのだ有」「又兵衛様 良くぞご無事で会いとうございました」胸元に行く。「また一段と姫に似てきたな」と壮士が言う。そうこの最後の切り札は、有が犠牲にして姫を守ると言う事。それすら姫は知らず深い眠りの中である。姫と有は幼き頃からの友達、お付き人、有は、自分の命は姫様の物と育てられてきたのだ。親方からの使命でもある。「ぅっ爺どうして」涙を流して目を覚ました。「姫もう大丈夫だ良くぞご無事で」一夜さんが言う。兄の様に優しく私を守ってくださるお方どうして此処に有の姿もあった。これも爺が?「はい」「そうでしたか、この世はどうなるのでしょうか、私が生れて来たからこのような事になったのですね、本当に皆さんには礼を言いますありがとう。命を落とし兼ねますどうか、私と離れてください。私はもう命など要りません。どうかご自分の命を大切にしてください私からの命令です」私が言う。「何を言うのです姫、私は死ぬまで姫と離れません、私の姉同様大切な家族です」有が言うと「姫は、何も心配する事はないのです。のんびりと私らの側にいれば良いのだ」一夜が言う。「さぁ夕飯を食べて元気にやりましょう」そう言って皆で夕飯を食べた。食事後陽と和が外の見回りをしに出た。すると追っ手の一人と陽が鉢合わせした。片腕を遣られてる。もしやお頭をやったのはお前か?和が上から陽に、手を出すな、まだ姫の場所は知らないようだ、様子を見るぞ。くっそっと和にいって通りすがる。敵も気がつかず、滋賀の町で一夜を過ごしていた。その足で一夜のもとに知らせに行く。やはりもうすぐ着くか。油断は出来ぬ気を引き締めなければ、この事は、皆が私を見てわかったかのように頷く。姫は有と話しをしていた。良かった、二人にはまだ知らせずにしておこう。何も知らず朝は来る。食事後姫と有は着物を買いに出掛けた。有は薄紫の藤の花の着物に姫は薄紅の桃の花の着物を着て帰ってきた。「只今戻りました」