生意気な彼奴

作者seseragi

ふぁ〜 疲れた。

肩はパンパンで腕は回らないし

足は浮腫んで歩くのしんど〜い

私の休みは何処へ〜泣く


「先輩 お疲れ様でーす

実はこれから、リハビリ室の若様たちとの飲み会があるんですが〜〜どうです

参加されませんか?」


「おっと〜未来ちゃん

たまにはいい事してくれるじゃん」


「行きましょうよ〜」


「若き男性のエキスをねぇ」



「フッフッ 何を言ってる 薺《なずな》

お前にそんな余裕あるのかよ」


「おっと 何処から来たのか 恐ろしき琢磨

私はねもう仕事 あがりなの おわかり」


「フッ そんな事言えるのか」


「煩い 早く夜勤に入りな フッン」


「じゃ先輩先に着替えて来ますね〜

待ってますよ」


「あいよ! 後でね」


「琢磨先生 未来は先生が大好きだからね

うっふ❤️ 」


「嫌嫌 あり得ない こんな軽い男

見た事無いのか? 未来やめときなさい」


「薺 お前俺の魅力に感じなさすぎ

もう諦めて 仕事だけにしとけば」


そう言って笑いながら 手を振りながら

歩いて行った。



ガラガラガラ

店のドアを開ける

「あっ先輩 遅〜い 早くコッチですよ」


「 未来ちゃん 少し酔ってる?」

「大丈夫 でーす…

こちらが オペ担当主任のなずなさんです

私達の優しい 先輩なんです。」


「あっ先輩

こちらは、リハビリ担当主任の伊藤さん

花梨ちゃんの彼の井上さんです。

そしてこの男前のお兄さんが八木さん

かっこいいでしょう。」


「八木さん 久しぶりですね」


「えっ知り合いなんですか?」


「確か久保貴子ちゃんの時に」

「そうでしたね 嫌その節はお世話になり

すみませんでした」


「いえいえ こちらこそ」


沢山居るんだ。リハビリ科


「結構沢山いてるでしょう先輩

私達可愛い後輩は、先輩に会わせたくて

何時にしようかと毎日考えてるんです」


ちょい待ち

「そんな暇あったら少しは学べよ〜」

「嫌だ〜 怖〜い未来泣いちゃう」


笑ってしまう。若さには叶わない。


私の携帯が鳴る


「未来ちゃんごめん電話だから

出てくるね」


「はーい」

本当に飲み過ぎじゃないか?

心配する


「はい 柏木です。何かありましたか?」


「先輩すみません

106号の遠山さんが吐血して

緊急オペになりました。それで琢磨先生がなずなを呼べと言われまして」


「わかった 10分で戻ります、出来るだけ

自分らでも出来る様に頑張ってて」



「ごめん未来ちゃん

緊急が入ったから、戻るよ

またね」


「えっ行くんですか〜」

「すみません、こちらに今回の費用を

この子達の分もどうぞ ではまた」



走って病院に戻る



赤紫のオペ服をまとい

髪を束ねて止め

帽子をかぶり後ろでキツく紐を縛る


風を通して消毒をして、手袋とマスク


何時もの様に用意をして中に入る


中は慌ただしく

バタバタとしている


「琢磨先生 お待たせ」


「遅い ユキちゃん悪いね

そこのおばちゃんと代わってもらえる」


「はぁー オバちゃん 舐めるなよ」


「止血してるから、そこの部分吸引して

後こっちを……」


彼とタックをくんでもう8年か

上手くなったよなぁ


やっと終わった。

疲れた、時計を見ると夜中の2時

疲れるはずか?


「お疲れ様でした」

「お疲れ様」


私は何時もの様に

挨拶を済ませて、彼女達に指導をしながら

日誌に書かせて学習をさせる。

器具の消毒をするように指示を出し

着替えに戻る


「あー 私の休みはないのかね」


廊下を歩き

何時ものCoffeeを入れて飲む


「先輩 ありがとうございました

私やっぱりダメですね

何時までたっても上達しないし

足引っ張るだけで」

そう言って 泣き出した


私が泣きたいよ。


「ユキちゃん 大丈夫

今日の事ちゃんとメモして見直して見て

日々の体験と実績でさ

吐血の量も見て驚きぱなしで

琢磨先生に迷惑かけてしまって」


「はぁーい ユキちゃんお疲れ様

Coffeeでも飲んで

リラックスリラックス」

と言って手を振って先を行く


「じゃ 私は帰るから、

後よろしくね

何かあれば琢磨先生に連絡して

多分落ち着くと思うからね」



「ありがとうございました」

そう言って彼女と別れた。


明け方近くに私の携帯が鳴る

「おはようさん なずな」

「うーん どうしたの琢磨さん

美容の為に寝させてくれないのかなぁ

あんたって鬼かっ」


「嫌 悪いね

今日仕事?」


「昼からね」


「どうしたの」


「ユキちゃんの事で話がある」