君は僕の涙

作者seseragi

僕は一人で暮らしてる
少し前まで家族は居たけど
28日の日に 僕の人生が変わった。
そこに迷い込んだ君と出会えて
僕は変わった。

春風か悪戯混じりの風を吹かせる

花びらが舞った


僕は一人で歩いてる


「ねぇ 今度さ

映画でも行かない」

「いいね〜

ゼミがない日ならOKだよ」


二人ずれの女性が話しながら

歩いてる。


僕は 桜の木を下から覗き込む



カサカサカサ


うっむ……



上から降ってきた。


ミャー

「うわっ」

黒猫が落ちてきた。


「ミャー……」

「お前 何してんだよ」

「お前…振るえてるじゃないかよ

バカだなぁ〜

こんな高いところに乗りやがって

お前も一人か?」

黒猫は僕の服の中に入ってく。

小さな子猫……


一ヶ月前の僕には家族が居た。

今は広いこの家に一人で住んでいる…




「ねぇ 見て可愛いでしょ」

「母さんまた拾って来たのかよ」


「あらら…天音君そんな言い方は良くないわ」


「だってそうだろう」

「違うわよね〜 この子は我が家に居候君

天音君より 良くお話を聞いてくれるし

母さんの側で甘えてるのよ」


「ふっん 父さんに怒られるなよ」


「大丈夫 もう許可もらってるの」

「早すぎだね〜」

母さんは笑ってる。


いつもの明るく 穏やかな人だったから

良く拾ってきた、動物を飼う

ほっとけない人でもある

まぁ簡単に言えば、

御節介さんだね〜


「天音君 大学はどうなの?そろそろ就活

てましょうもう決めたの?」


「あ〜もう決めた

結果待ち」


父と母は演奏家であり

父は良く東京、名古屋、横浜、神戸などを飛び回り演奏している。

母はつい最近体調を崩しやめている。

だから 母と僕との生活が主になっている。


「母さん 先ほどから 焦げた臭いがするけど

またやってる?」



「えっ あっ大変 」

慌ててキッチンに走る母に

キジ猫もついて行く。

「あ〜 ショック 全滅」

「何したの 」見に行くと

「カレーらしきものがある」

「今夜は レトルトにするか?」

母さんは、悲しそうな顔をしながら

「ごめん天音君 お料理頑張ってるけど

上達しないよ」

「はいはい 無理するなよ

僕に任せときなって」

そう言うと 「頼りになる天音君」

笑ってる。


「天音君 父さんからね電話が来て

今月の28日に東京で演奏するみたいなの?

貴方もどうかなって?」


「ごめん 今月の28日は バイトだ

友達の代わりにもなってるから

休めない。母さん行って来たら

ゆっくりと二人でご飯でも食べて来なよ」


「そうなの 残念ね

じゃ 父さんには伝えておくわね〜」

テンションの高い母さんだった。

相変わらず父さんの前では可愛い母さんである

「天音君 この子の事お願いしてもいいかな?

だって 連れて行けないからね」

「はいはい 餌と水とトイレ掃除だよなぁ」

「そうだよ〜ありがとうね ちゃんとお土産買ってくるからね」

「小太郎貴方にもね」

「母さん もしかしてその猫

小太郎なの?」

「そう 小太郎さん 似合ってるでしょう」

「ダサくない?」

「いいのいいの 可愛いでしょ」

そう言って笑ってる。

あの時止めておけば良かったのかなぁ〜


「母さん 決まったよ就職」

「良かったね〜何処に」

「ANS商事」

「えっ あの大きな会社」

「何かの間違えじゃないの」

「なに言ってんだ

ほら見てみろよ」

母さんは封筒の中身を出して内容を見ている

涙流して喜んでる。

「なに泣いてんの 」

「だって 母さんいつもの側に居てあげることもして無くて、親らしき行動も出来なくて

でも天音君はちゃんとしてたんだって

嬉しくって」

顔をくしゃくしゃにして泣いてる。

「泣かないでよ〜頼むから」

泣いてるのかと思い見てみると

電話をしている。もしや…

「今大丈夫?あのね

天音君ANS商事に合格頂いて

春から働くんだって」

泣いてたのに 笑ってる。

きっと父さんと話してるんだ。


「父さん そうだよ。受かった。

うん頑張るよ、あ〜じゃまた

母さんと変わるよ」


その後 母さんは父さんと話して笑ってる。

いつも仲が良くて、何時迄も新婚みたいだ


「母さん 僕これから友達と出かけるから、

夕飯はイイや 済ませとく〜」

「はいはい 気をつけてね」

母さんは小太郎を抱いてソファーでくつろいで居た。そういえば最近ピアノ弾かなくなったなぁ〜母さんのピアノが聞きたくなったなぁ



「ねぇ小太郎さん 天音君は

本当に優しい子なのよ〜

私もパパもこのお家開ける日が多くて

叔母様と仲良く帰りを待ってたの

子どもながらにきっと寂しかったと思うのよ」