「お前は弱くなんてないじゃん。強がりも強さだろ」
「お前はさ、誰のために生きてんの? 自分のためじゃないの? それなら自分の心に従えよ」
「俺がお前の後悔も悲しみも半分背負って走ってやるよ。だからとりあえず一歩一歩、進んでみないか?」

 私が特に心揺さぶられた、有川の言葉を並べてみました。彼の台詞はどれもお気に入りのフレーズです。誰にでも必ず一度は来る、前に進めなくて挫けてしまい、負のスパイラルから抜け出せなくなる時。でもそんな時でも、その人の傍にいるだけで、気休めにしかならないかもしれないけど、その人の心は温かくなるんだ、と当たり前のことを考えました。でもその "当たり前" はとても大事なことで。それを常に忘れないようにしよう、と思っています。
 有川は危ういほど真っすぐすぎて無垢なのに、強くて。でも私みたいに弱い部分もあって。都も彼女からすれば弱いかもしれないけど、私からすれば強く感じた。共感だとか親近感だとか、彼らに対して色々な感情が芽生えて止まない。自分でも、目標に向かって我武者羅に走れば夢を叶えられるんじゃないか、とまた一歩踏み出せる気がしています。何度失敗したって良い。その代わり、前に、明日に、駆けようとする気持ちを忘れなければ良い。都合の良い解釈だし、綺麗ごとだとは思う。でも、その光を夢見て靴紐を結びなおすのも悪くはないんじゃないか、なんていう風に感じています。
 彼らと共に、時には笑って、時には涙を流した。まるで私も彼らの "仲間" みたいな感覚でページを捲り続けていました。眩しいほど輝いていて、でも苦くて、そして甘酸っぱい。
 私も明日を駆けるから、都、有川、見ててね。なんて言いたくなった。
 素敵な作品をありがとうございました