【物語全体あらすじ】
家事、育児、仕事にと追われる由宇の今の悩みは、夫から夜誘われること。
毎日の業務でくたくたの由宇には、夫の倫也を相手にする余裕はなく、誘われるたびに断っている。倫也は全くといって家事も育児もしないいわゆるダメ夫。求めるばかりで由宇が誘いを断ると怒りだすのだ。そんな倫也に段々愛情がなくなっていることを、由宇は日に日に感じていた。
倫也とは同じハウスメーカーで働いていて、社内恋愛ののち結婚。会社の出世頭と言われていた倫也との恋は競争率も高く、彼を射止めたときは優越感さえ感じていた。それなのに今では寝顔を見ているだけで殺意さえ湧いてくる。
ある時「一層のこと、他で性欲を発散してきてくれたらいいのに」と遊びに来ていた高校時代の友人、岬の前で愚痴をこぼす。それを聞いた岬は歯がゆい気持ちを覚える。岬は由宇から倫也を紹介されたときから、倫也のことを素敵な男性だと思っていたから。由宇の公認ならなにも悪くないのではと、由宇に内緒で倫也に連絡を取る。二人は密かに会うように。
その日を境に、ぱたりと夜の誘いがなくなった由宇はせいせいしていた。倫也もなぜか最近機嫌がいい。家庭内もうまく回り始め、倫也への愛情が戻り始める。と同時に、なんのスキンシップがないのを寂しく感じ始めた由宇は、ある晩自分から倫也のベッドに入りこみ誘ってみる。だが倫也は由宇を拒み、無理だと言った。虚しくて悲しくなる由宇。倫也もこんな気持ちだったのかと気が付くが時すでに遅し。倫也は岬との逢瀬に夢中だったのだ。
自分から拒絶した手前、倫也に浮気相手がいても責める権利はないと思っていたが、ある時相手が岬だと気が付く。岬を呼び出し修羅場に。だが岬は由宇の望みを叶えてやっただけだと、謝ろうとしない。倫也は由宇と別れたくないといい泥沼に。
離婚するべきか、しないべきか悩む由宇に息子の担任の梶先生が「元気がないですが、大丈夫ですか」と声をかけてくる。梶の優しさに心がボロボロだった由宇は、思わずその場で涙してしまう。
それがきっかけで、由宇は梶と親密になっていく。