清乃

失恋、というバネ
ももねこさんの小説を読むのは本作品が2作目なのだが、どちらも主人公は人に羨ましがられ何人にも告白されるような魅力ある羨ましい人物。なのに恋はうまくいかないのだ。このジレンマがももねこさんの作品の魅力、誰もが羨む人物に試練を与え成長させていく。人間に完璧など存在しない、そのことを強く再認識させていただいた。

本作品は失恋までの過程を描いたものだが、ハッピーエンド好きな私には新鮮だった。失恋というアンハッピーは次のハッピーの為の種蒔きなんだ、そんな前向きな姿勢が清々しい読後感をもたらした作品であった。