栗栖ひよ子

コンプレックスを乗り越える
この物語の主人公の亜佳音は、背の高いことがコンプレックスの女の子。

そして、亜佳音より背の低い春人もまた、コンプレックスを抱えています。


最初はなかなか素直になれないけれど、
お互い、自分のコンプレックスを乗り越えながら、真っ直ぐに向き合おうとする二人の姿は、
純粋で、大きな思いやりに溢れていました。


一途で真っ直ぐな亜佳音が悩み、頑張る姿は、誰もが応援したくなってしまうはず。

かけひきや、見た目を磨くことが大切なんじゃなく、
相手のために一生懸命になり、諦めずにひとつのことをやり抜くことが大切で、
それらは、その人を一番輝かせてくれる…。

そんな恋愛をしてみたい、と前向きな気持ちにさせてくれます。


ひとつひとつのエピソードが、可愛らしさと愛しさに溢れていて、読んでいると胸がキュンとしてしまいます。


他人から見た評価なんて関係なく、自分が中身で好きになった人が、自分にとっての一番かっこいい人。
そして、そんなかけがえのない相手を精一杯思いやること。

この物語は、そんな大切なことを、私たちに教えてくれます。