作品コメント
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- 茂
あなた自身だ、とでも言うように
死の意味…
人は、生まれたときから
死への刑場へ向かって歩いている
科学は発展し
飢えや病、貧困…
人類の苦痛は幾分減ったかに見える
けれど、今のところ、まだ人は死ぬ
実は、発展して減ったはずの人類の苦痛は
一向に減っていない気がしないでもないが
ともあれ、このSF小説は
死への意味に対し、果敢に挑戦している
「身近な人の死は自分の生を実感し、悦び、次の日からより良い生き方が出来るように存在するんだ」
光と影…ヒカリトカゲ
こんな細部にも小味を利かせながら
親友も、恋人も亡くし
最後に
俺、一人が残る
それが、読者、あなた自身だ、とでも言うように - 華月
揺さぶられる感情曲線
非現実的であり、SF的な設定なのですが、とても人間味のある作品だと感じました。
中盤から終盤にかけての流れが、特に読んでいて惹き込まれました。
短編ですが、主要人物三人の設定やキャラがしっかり作りこまれていて、どの人物にも愛着が沸きます。
哲学の描写は個人的にとても好きです。
重く湿りがちになりそうな内容ですが、淡々と綴ることで押し付けがましくなく、素直に物語の中に溶け込めました。
悲しみの中に、優しさと温かさを感じる、とても良い作品だと思います。