作品コメント
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- 涼音
不器用で切ない想い
誰よりも連ちゃんを想っていて、一緒にいたいと願っているのに、彼女に嫌われるための嘘をつき続ける千春くんの真意が知りたくて一気に読みました。
千春くんは、ずっと一人で悩み、葛藤していたんですね。
それがあまりにもつらく、苦しくて、すごく胸が痛くなりました。
でも、彼女を想うがためについた嘘は、不器用でもどかしい、千春くんの純粋な気持ちだったんですね。
作品全体が暗い空気に包まれていましたが、それが千春くんの心情にとても合っていたし、空の描写も素晴らしかったです。
それがラストシーンで一筋の光が射し込み、連ちゃんの「嘘」で締め括られていたのが本当に素敵でした。 - 紡
柔らかい雰囲気
読み始めてどんどん引き込まれました。
蓮のために嘘をついたけど、それでも好きな千春の葛藤が柔らかい雰囲気であらわされていました。
とても良い作品だと思います! - 野良
素敵な嘘。
とても素敵な作品でした。
本当に、萌さんの物語大好きです。
作品の中で特に目立つ「嘘」と「曇り
空」。
この二つのキーワードがとてもうまく使
われていました。
主人公の心情と時に連動したように、時
にそれを煽る様に変わる天候がとても魅
力的でした。
最後彼女の嘘で完結する、というのもと
てもよかったと思います。
また、彼がずっと友人Aと呼んでいた彼女
を最後に名前で呼ぶ…「好き」といわな
い彼女が最後の最後で素直になる…と
いったような、細かいところのストー
リーにもとても惹かれました。
(ですが、そういえば…あの蓮ちゃんと
一緒にいた男の人はなんだったのでしょ
う…?)
長々と失礼致しました。
良いものを読ませていただきました。
これからも応援しています。 - 麻井深雪
その嘘は誰の為?
元カノ蓮への思い出を大切に胸にしまいながら、彼女を突き放すような態度を取る千春。
何故、彼は苦く切ない想いまでして嘘を吐き続けなければならないんだろう、と真相が気になって一気に読み進めました。
常に苦しい千晴の心理描写が続き、物語は切なさ一色で展開されます。
それを引き立てているのが天候の描写。
灰色の曇りの天気は物語の雰囲気そのもの。
それから心まで痛くなるような雨のシーン。
最後の別れの日となるはずの卒業式の日も雨。
最後に雨が止んで灰色の空が戻ってくるのが印象的でした。
嘘を吐ききれない、未練たっぷりの不安定な心理描写と行動もこの年ならではのリアルな描写に感じます。
そして、その嘘が相手ではなく自分を守る為のものだったと千春が気づくところも、それが人間の本質なんだとハッと気づかされます。
最後の終わり方も物語のテーマに沿っていて、上手いなと思いました。
細かい演出が作品の雰囲気を素敵に彩っている作品です。
ぜひ読んでその世界観を感じてください。 - きたみ まゆ
不器用さが切ない
誰もいない放課後の教室
静まり返った図書室
重苦しい灰色の空
暗い雰囲気の中でひとり葛藤する千春と
ふと甦る甘い記憶とのギャップが切なくて
胸が痛くなりました。
もどかしいくらい不器用で一途な千春が
蓮のためについたたくさんの嘘に対して
最後に蓮がついた可愛らしい嘘
ふ、と微笑んでしまうような素敵なラストで
本当に読んでよかったです。
素敵な小説ありがとうございます - 美帆子
灰白。
まさに灰白。重苦しい雰囲気だが嫌じゃない。じりじりと読んでいくと雰囲気に飲み込まれてしまいそう。戻ってこれるかどうか不安。文章がいい意味で魔物。最後にこういう体験あたしにもあったなぁ…