魔法のiらんど 小説&コミック大賞 選考現場レポート vol.1

https://storage.googleapis.com/blog-info/entry/2020/10/201030-award-report1_ogp.jpg

魔法のiらんど編集部です。
今回から、小説・コミックシナリオ大賞の選考についてのあれこれを皆様にお届けします!
第1回は、締め切りから約1ヵ月が経ち、本日発表となった予備選考通過作品と応募の傾向についてです。


まずは全応募作品のうち、予選を通過した作品数は……

【小説大賞】
応募総数:1,210作品 → 予選通過作品数:568作品

(内訳)
青春小説部門:485作品 → 196作品
キャラクター小説部門:379作品 → 189作品
ファンタジー・歴史小説部門:346作品 → 183作品

【コミックシナリオ大賞】
応募総数:720作品 → 予選通過作品数:477作品

(内訳)
ファンタジー・歴史部門:407作品 → 301作品
セクシーLOVE部門:174作品 → 114作品
実話・エッセイ・人間ドラマ部門:139作品 → 62作品

という結果になりました。


予選通過作品の選考を終えて、全体の所感と部門の傾向は……

【全体所感】

■良かったこと

・新しい作者さんが増えました!
当初の想定を上回る1,930件もの応募があり、また、初めて魔法のiらんどに訪れた作者の方が多くの作品を応募してくださいました。7月1日の応募要項の発表以後に会員登録した作者の方による応募作品は、小説大賞では約6割、コミックシナリオ大賞では7割を超えました。

・多種多様なジャンルが! 企画も頑張ります
これまで魔法のiらんどではあまり見られなかった小説作品ジャンル、特にファンタジーやキャラクター小説の分野で魅力的な作品が増加し、読者ユーザーの皆様にもさらに幅広い作品を楽しんでいただけるようになりました。
今後、新たなジャンルの作品を取り上げた企画などで読者ユーザーの方の目に触れる機会を増やしていきます。また、作者の方には様々な同種のサービスがある中、魔法のiらんどを今後も利用していただけるよう、サービスや機能の向上を念頭に今後も努力していきます。

・シナリオ大賞の可能性を感じました
初めての試みでしたが、いずれもコミック化を意識した山あり谷ありな展開の作品ばかりでした。小説原作をシナリオ化した作品も、フォーマットに沿ってエッセンスを凝縮し、上手に落とし込んだものが多く、コミックという別の視点でも可能性を感じる作品が多数ありました。

■課題点

・告知から締め切りまでのスケジュール
特に小説大賞では告知から応募締め切りまでの期間が短いというご指摘を受け、実際に10万字の規定に惜しくも届かなかった方が一定数いらっしゃいました。今後の改善点として、応募要項の告知から締め切りまでの期間を可能な限り設けることを念頭に置いてまいります。

・コミックシナリオのフォーマットは今後も改善していきます
書きやすさとコミカライズの際の漫画家・編集視点で、さらに分かりやすくスピード感を持ったコミカライズが可能なように、今後もブラッシュアップを心がけていきます。


【部門ごとの傾向】

・小説大賞 青春小説部門

全部門を通して最も応募数が多かった部門でした。シリアスからコミカルまでバラエティに富んだ作品を応募いただきましたが、ストーリーを通じた登場人物の成長譚という基本構成の中で、いかに独創的な要素を盛り込むかや、普遍的なテーマでも独自性を出して書ききるかといった作者の方の想いを感じました。タイムリープなど、少し「不思議」な要素を含んだ作品が多く、読者の興味を惹くことをきちんと意識して書かれていた作品が多かったのが選考側としても嬉しいポイントでした。


・小説大賞 キャラクター小説部門

トレンドを押さえた「あやかし」「お仕事」系の作品が多数見られました。身近なテーマをもとに、突飛になりすぎない範囲でお話を膨らませ、ターゲットとなる読者の嗜好を理解して書けていた作品が多かったです。男女バディもののほか、ブロマンス作品などもあり、キャラクター小説のさらなる幅の広がりを予感させました。


・小説大賞 ファンタジー・歴史小説部門

異世界ファンタジーを中心に、中華・和風・アラビア風など様々な舞台を描いた幅広い作品が集まりました。特に異世界ファンタジーでは、テンプレートが確立されつつある中で独自色を出すのに苦労されたのではないかと思います。「あやかし」「後宮」「吸血鬼」など一定の需要がある要素を盛り込んだり、現実世界とクロスオーバーした展開など、工夫が見られる作品が多数ありました。


・コミックシナリオ大賞 ファンタジー・歴史部門

コミックシナリオ大賞では最も応募数が多かった本部門。コミックならではの表現を念頭に置き、いい意味で突飛な発想の作品が見られました。多彩なジャンルを応募いただきましたが、異世界やゲーム世界への転生・転移、歴史では後宮など王道の作品が多数ありました。


・コミックシナリオ大賞 セクシーLOVE部門

投稿済みの原作小説を元にした作品が多く見られました。既に完成している小説をシナリオ化することで、エロティックな要素がありつつしっかりとストーリーのある展開が出来ている作品が多かったです。


・コミックシナリオ大賞 実話・エッセイ・人間ドラマ部門

魔法のiらんどではこれまで数が少なかった実話系作品でしたが、結婚や職場などの人間関係、SNSを通じた話など人気のあるジャンルの作品が集まりました。マウント女子など以外にも、不思議要素を取り込んだ作品や、実体験を元にしたお仕事系作品などバラエティに富んでいました。


すべての作品を読ませていただいた中で、どの作品もいずれ劣らず力作ばかりで
応募者の皆様の作品にかける熱い想いを編集部一同ビシビシ感じました。
残念ながら予選通過に至らなかった作品についても大変な力作揃いでしたが、
以下のような点に気をつけていただくとさらに良い作品になるのではないかと思います。


気をつけよう! こんなポイント

・読者の読みやすさを意識しよう
書きたいことがたくさんあるのはもちろんですが、作品ならではの設定を一度に伝えようとしてしまうと、読者は混乱してしまいます。導入はなるべく万人に分かりやすくすることを心がけましょう。作者の独りよがりになっていないか、客観的に見直してみることも大切です。

・最初に読者を惹き付けよう
一方で、ストーリーの冒頭部分にインパクトをもたせ、読者の興味を惹くことはとても重要です。ヒキのある部分を最初に持ってくるなど、ストーリー構成を見直してみましょう。

・ストーリー全容はお話の「全容」をきっちり書こう
選考の際、最初にチェックするのが「ストーリー全容」です。どんな登場人物で、どのような世界を舞台にストーリーが展開していくのか、結末まで書ききることが理想的です。予選通過作品選考時に、ストーリー全容の不備のみで落選判断はしませんが、どのような話なのかを予め選者にインプットさせられることは一つのメリットです。

・要項を満たしているか確認しよう
いかに魅力的な作品でも、応募要項の求める作品形式の規定(文字数や完結のチェックなど)を満たしていない場合は落選となってしまいます。選者としても素晴らしい作品に出会える機会を失ってしまうことになるので、ぜひ応募時に要項や完結設定などのチェックをお願い致します。



……と、長々と書いてしまいましたが、魔法のiらんど 小説&コミック大賞への多数のご応募本当にありがとうございました。
最終選考ノミネート作品の発表については、11月末を予定しております。
今後も不定期に選考についての情報をみなさまに発信していきますので、ぜひ引き続きチェックしていただければと思います。
最新情報は公式Twitterでもお知らせしますので、ぜひフォローしていただければ幸いです。

魔法のiらんど大賞 予選通過作品一覧はこちら