主人公、國枝きいとは元気な高校二年生、あと一カ月もたたないうちに三年生を迎える。父(祐ちゃんこと祐輔)は大学の教授で、家の事はもっぱら娘に頼り切り。そしてこの時期、最も忙しい、実家は昔から下宿屋をしていて、この辺じゃ隣のお寺と並んで古いので有名だ。
出ていった人たちの後を片付けて風邪をひき、そこからこの物語は始まる。
きいとの母親はがんで亡くなり、ちょうどその頃大好きだった男の子も自分のもとから離れていってしまう。
お婆ちゃんは、私の事を嫌いになりつらく当たるようになるのだが、二年前庭で倒れ死んでしまった。
下宿屋、壱國館を守るために翻弄するきいとだが自分のやりたいことがあり、天秤にかけられるのは今だけど、やりたい方を選ぶ。
住人たちは、今や下宿よりは、アパートやマンション住まいで、学生オンリーではなくなった。
楽しい下宿屋は、何も下宿人だけではない。二十年も前から始めた、子ども食堂、ここは多くの人が集まる場所でもあるのだ。
高校三年、新しい住人たちが来る中、金髪の男子が父親とともに壱國館へとやってきた。
彼は六歳の時に分かれた男の子、ニアだというが、名前がジュンだときいとは信じようともしなかった。
イケメンのジュン、彼は壱國館にいる同級生の黒(目黒)の親戚でもあって、もう一人、白と呼ばれる白井と三人も絡みひっちゃかめっちゃか。
そんな中、きいとはいじめにあう、小さな時のトラウマ、それに今はかまっている暇はないと我が道を進み始めるのだが。
壱國館に関係する人たちとのすったもんだ。いじめ、シングルマザー、シングルファザーの問題。子供たちの問題に、老人たちの問題、自分の問題と次々起こる問題に、きいとも切れた。
自殺しようとしたが、ジュンのいなくなった本当の意味を知り、壱國館を祖母がジュンに残したいという意思を尊重したいと、きいとはアルバイトを志願する。
住人たちの説得、そしてきいとが二十歳になったら見せてほしいと祖母が残した手紙が開けられる。
和解しあえたかのような祖母の残した壱國館を、きいとは守ろうとする。
青春
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