各地を武将が治める時代。
泣くと化け物《ナマハゲ》を呼び寄せる力をもった少女シズクは人里離れたところに隔離されていた。
シズクの力を使って戦争に勝ちたい殿様は、シズクに力を制御するよう命じる。何度試しても制御はできなかった。下手をすればシズクが暴走して、国が滅ぶかもしれないと考えた臣下の提案で、シズクは他国に売られてしまう。
シズクを買った一国の主ホヅルは誓う。
シズクを戦いの道具にしないと。
好きなときに泣いていいと。
化け物は男どもで退治するから心配するなと。
ホヅルに保護されたシズクは化け物を呼び出すために泣くのではなく、悲しいから、辛いから、嬉しいから泣くようになる。
シズクはホヅルの元で幸せを手に入れた。
けれど、この時代は乱世である。
化け物を呼び寄せる力を巡って、国同士の陰謀にシズクは巻き込まれていくのだった。