「皆原尚登」は、欲しいものを何でも買ってもらえた。
だけど、一人で人を惹きつけられる魅力は、ちっともなかった。
「白井響」は、人に好かれる存在だった。
だけど、ただ一人振り向いてほしい人はこちらを見てくれない。
「東有希」は、己の好きに対する情熱が何よりも強かった。
だけど、それは行き過ぎて周りは理解してくれなかった。
「森嶋陸」は、それなりに怠惰な人間だった。
だけど、何かをしようと思えば何にでもなれた。
「藤堂ちえり」は、いつでも一人。
一人のまま、ずっとずっと生きていたいと願っていた。
二十三歳のその日、ひっそりと人気動画サイトにて配信していた自分の動画を全て消した。
金に物を言わせた動画を撮って少しの再生数はあったけれど、知名度はそれほどない。
悔しかった。誰よりも人気者になれると思っていたのに、誰かには届かなかった。
「人気者になりたい」「だけど、俺一人じゃあ、駄目だった」「それなら」
それなら、誰かを巻き込んでしまおう。
ドタバタで、子供でもない五人の、幼く精一杯なお話。
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