ファン
2

イト

日々を編む

28夜

意味のわからん涙ばかりだった。
彼はこんな最低な私の話を聞いてくれた。
2022062818時、あの電車の見える公園でベンチに座って話をした。公園に向かうまでは何も話さなかった。影を譲ってくれる彼は優しかった。夏だった。山の起伏がなす影が夏を感じさせた。カラスがないていて、ジーという虫の声、太陽は私の目から流れる涙を頬の上で直ぐ乾かした。頬はパリパリに仕上がった。帰路に着く人、教習所のチャイム、壊れたベンチ、そういや今年はもう梅雨が開けたみたいだ。日が暮れると涼しくて、また違った虫の声が聞こえて、風が私たちを行ったり来たりした。すれ違った気持ちを抱える私たちの間を、夏の匂いの風が何度も通った。彼は寂しがっていたが、怒ることもしなかった。彼の町を歩いた、踏切が開くのを待った、自販機でお茶を買った、暑すぎない夏の夜だった。彼は飛行機を見つけた、あの電車にも乗ったなと言う話をした。私たちの周りには思い出しか無かった。人に言えなかった悩みも打ち明けた、でもそれは理由ではない。健全に自分を、自分のために自分を生きる。今の私はそれをするしかない。
わがままでごめんね、話を聞いてくれてありがとう。今日から友達として一緒に人生を頑張りたい。今までありがとう。

何を話したかというより、何を一緒に見たか、何を一緒に感じたか、そんなことばかりしか思い出せない。昨日もずっとその前も。
私はこの夏の景色と音を感じる度に昨日感じたことを思い出すのだろう。空は信じられないほど青い。

20220629水 07:44 今日も一限から

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