森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 204

はなと弓弦は隣の控室へ移動していった。
部屋の中に残る原田と秋元・Janisと翔太。誠と5人でゆっくりとお茶を飲んでいたがふと話が弾んだ。
Janisは秋元とにこやかに話をしている。
その傍らで原田はその様子を笑顔で見つめ時折会話に割り込んでいた。
誠と西村と翔太はもっとJanisと話がしたいが通じないとちょっとと思っているのか
3人でどうにかと話をしている。
話しかけるにはまだまだ勇気がいるよなと笑いながら3人でお互いをつつきあっているのだ。

「誠さん英語は大丈夫だって話してたよな?」
「まぁな。でも通じても相手はフランス人だ。どこまでかもつうじっかなぁ・・・。」
「んじゃ、翔太行けよ(笑)」
「え?俺英語も無理っす(笑)」
「翔太(笑)人生何事も勉強だぞ、頑張るんだな。」
「翔太、翔太は全然本当に英語はダメ?」
「西村さん(笑)無理です。」
「大丈夫よ、翔太君。弓弦ちゃんもいるし誠さんもあたしもみんないるわ。」
「あ。お帰り。また見事にはなさんも弓弦も化けてきたなぁ。」
「んもぅ。誠さん?」
「弓弦、似合っているよ。」
「ありがとう。」
「ところでもうそろそろ?」
「そうじゃのぉ、もうそろそろじゃの。」


みんなで話をしていると、担当のとあいさつしてくる人が現れた。


「ではそろそろお時間ですね。わたくしが記者会見の進行をいたします上田と申します。
 よろしくお願いします。」

そうドアから覗く人から声をかけられそろって移動しはじめる。





「お兄様?」
「ん?」
「大丈夫?」
「あぁ(笑)大丈夫だよ。」
「そう。」
「どうかしたのかい?」
「ん・・・・・」
「大丈夫だ。私たちには原田さんも弓弦もみんな横にいてくれる。
 何を緊張することがあるものだろうか。私には一番いはながいる。それで十分だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「単なる音楽基金の設立とバカンスの記者会見だ。大丈夫。はなの方が緊張しているのか?」
「大丈夫、だってお兄様と一緒なんだもの。」

控室で話をしていると`皆さんお揃いでしたら・・・・´と部屋を移動することを告げられる。

原田氏の顔を見ると微笑んで立ち上がり、呼ばれたドアの方に向かおうとする。
すると一緒に立ちあがったはなも原田氏も会場へ行こうと動き始めた。
Janisと一緒にではないが先に来ていたマネージャーと銀行職員もドアの外で待っていたため
廊下に出ると西村や弓弦・誠が一緒でなくとも大人数に見えた。
そんな中Janisが弓弦を呼んだ。

「YUZURU!君ハ通訳トシテ 僕トノ原田サンノ間ニ 座ッテイテクレマセンカ?」
「え?Janis!通訳の人いないの???」
「アァ YUZURUガイルカラト思ッテ 一人モ 頼ンデナイヨ(w)」
「弓弦(笑)一緒に行こうかの。弓弦がいないと記者さんたちが困るしの(笑)」
「はなさんだっているじゃん!あたしが通訳で横に座ったら、そういう仕事まではいるでしょ?」
「弓弦(笑)気にするな。どっちにしてもお前の語学力はそのうちばれる。」
「お兄ちゃんまで!んもぅ!Janis今回だけよ?」
「オゥ 私 断ラレルトハ 思ッテナカッタンダケド 引キ受ケテクレルト信ジテタカラ。
 サァ 一緒ニ行コウ 時間ガ迫ッテル。」

話しをしながら移動しているときも、廊下にいる記者たちが騒いでいるのが聞こえる。
そしてドアに隙間から見える会場内はカメラがたくさん並び、中では騒然としている。
アナウンスが流れた。Janisははなと視線を合わせると笑顔で会場内に入っていった。




それではこれより来日されましたJanis・reno様と吹奏楽連盟原田様各銀行担当者様
壇上へおあがりください。
そして今回は通訳として原田様原田のお孫様:弓弦さまがJanis様の横につかれます。



そう司会者が話をすると弓弦も呼ばれると会釈して一緒に壇上に上がった。



先日亡くなられたFrancis・renoの遺志によりJanis・renoと月城はなの立会いの下、
わしがまとめる日本吹奏楽連盟と共に「Francis・reno基金」を設立することとなった。
横におる日本銀行担当者さんとフランス供託銀行の担当のかたと
Francis・renoの遺作の著作などより生まれる利益をすべてこの基金に託すということを決められた。
何よりもうれしい事である。世界各国でもこうやって音楽界のために立ち上がった音楽人が
Francis・renoの優しい心遣いで音楽を学ぶ機会を与えてくれた。
家庭の事情で学べなかった子供たちにたくさんの道を選べるよう立ち上げたこの基金を
日本中の子供たちにチャンスを与えるべく、まずは日本とフランスで基金を活動することを決められた。
その件についてこれより詳しくお話をせねばなるまいが皆さんよろしいかの?
通訳がおるので皆さんにはよりわかりやすくお伝えすることができるじゃろうが
この後晩餐もあるので客人もそろそろと集まり始める。
的確に質問を飛ばしてくれるとありがたい。では、説明を始めるかの。



そう原田氏が話し始めると記者手元の資料を見ながら何を質問するのかを話ししながら
記者も話す内容を追いかけている。
その基金の概要と詳細とかを説明するとともに時間がどんどん流れていった。
もちろんこんな真面目に話をしているときに変な質問が飛んでこなかったため
すんなりと話は進んでいった。

「本日は3日じゃが、この喜ばしい基金Francis・renoの生誕日4月6日より
 動き出そうと思うがどうかの?」

その一言にJanisも月城も周りのすべてが賛同した。
そして、銀行職員を交えての調印式で締めくくられ拍手に包まれる。
その壇上には大使館員も上がり原田氏やJanisも職員たちも立ち上がり、肩をたたく。
最後に原田氏が口を開く。

「この基金はFrancis・renoの遺志とJanis・renoと月城はなさん。
 そしてそれを管理していただける銀行などの職員皆様。
 日本の子供たちにもこんな機会を与えていただくこと非常に嬉しく思う。
 いろんな段階を踏んでの基金申し込みとなるだろうが、頑張って申し込んでほしい。
 全ての子供たちに学ぶ機会を与えてあげたいと思っておる。
 4月6日活動開始となった後のこの基金への申し込み、待っておりますぞ。」

記者たちはその言葉が終わると会見も終了と感じたのか、前に詰めかけ寄ってきた。
いろんな質問が壇上にいるほうに向けて投げかけられる。
その質問に一つ一つ答えるわけにはいかず、聞き取れ答えられる質問のみ答え
記者会見を終わろうとしていた。
原田氏が立ち上がりそれと同時にJanisも立ち上がると手を挙げ2人握手をした。
それと同時に日本側の銀行担当者もフランスの担当者も喜びの握手をした。
それを記者たちは写真に撮り収め我先にと近づき質問をしようと構えはじめたのだが
一言弓弦が口を挟むように会場の方へ向けて言葉を発した。

「この場に来ていただいたマスコミの皆様、これより別の会場にて晩餐会が始まります。
 私どもはその準備に入らなければなりません。
 ので、これにて質問等は終わらさせていただきます。
 会見はこの後はありませんが、連盟の原田宛にでも会見の申し込みをしていただければ
 原田の方もJanisの方もインタビューにはお応えできるかと思います。
 また、彼は・・・あ、Janis・renoは当原田家でバカンスを過ごされるとのこと。
 あくまでもバカンスなのでそれだけは心に留めておいてください。
 それではこの場を移動いたしますが、
 晩餐会への招待状をお持ちのかたはご移動をお願いいたします。」

「招待状がないとは入れませんか?」
「もちろん。なのでない方はここで(笑)
 何かありましたら後日原田のほうまでご連絡をお願いいたします。」

そう伝えるとそそくさと引いていったJanisたちを応用に弓弦もその場から立ち去って行った。
会場に残った記者たちは終わったはずなのにまだ会見場に残ってざわざわしていたが
中には招待状を持っている記者もいたためそんな時間をかけずに人のざわめきは引いていく。
そのYホテルの別の大きな広間では招待された人たちがぼちぼちと入り始めていたのだが
その広間の大きさは招待された人が席に着くとすごい人数になるのではないかと思われる広さ。
500人規模の結婚式場に使っているような広間。
ステージが組んであるので8人がけのテーブルは50テーブルしかないのだが
一つのテーブルに3人の担当が付くらしく、招待された人たちよりもホテルの人間の方が多く
壁際にもたくさんの人たちがいた。
その広間近くの控室にはすでにひかりや伯母たちが来ていて準備をしていたのだが
記者会見場から引きあげてきたはなや弓弦は大慌てで着替えている。
別の控室では誠やJanisも着替えをしていたし原田も。
翔太は翔太で招待されている達哉たちの控室の方にいた。

「リーダー達の衣装だけ?」
「翔太はまだ踊れないだろ?はっきりと思いだしたわけじゃねぇし。」
「だなぁ。。。。でも弓弦さんもいるし二人で一人分踊れたらまだ違うんじゃねぇ?」
「いや、Janis・renoの前だしこれはしっかりと見せなきゃいけない。本番と同じだから
 翔太は今回抜いてやるから。」
「その代わり翔太(笑)見て思い出してよ。見たら思い出すから。」
「そっか・・・そうだよね。あやふやに踊ったらまずいよな。」
「そうだ(笑)おまえん所弓弦さんが入るからしっかり見とけよ」
「わかった。でもなんだかさみしいなぁ・・・・俺の立ち位置に弓弦さんかぁ・・・・。」
「まぁみてなよ。大丈夫だって、ちょっと前に悠太が弓弦さんと合わせてたみたいだけど
 この間の曲と新しく覚えてもらったのが一つ、結構ばっちりだったぞ。」
「あー俺もうずうずしてる。見てるだけでおとなしくできるかな(笑)」
「今日だけはおとなしくしてろよ?」
「ん・・・・なるべくおとなしくしてるよ。」

`konkon konkon'

「はい」
「皆さんご移動されていますが、ご一緒されるのではないでしょうか?」


そう声をかけられ、5人着替え終わっていたので隣の部屋にいるはずの誠たちの方に
顔をのぞかせてみた。原田とJanisはもう行った後で、西村と誠がそこにまだいた。

「呼ばれましたがまだ行かないんですか?」
「ん?もう呼ばれたのか?んなら行こうか、兄さん(笑)」
「お前はリハすんだのか?」
「俺はいつでも(笑)」
「そっか、爺さんたちは会場にいるんだろ?」
「先にあいさつ回りっていおってたからいるんじゃないのか?」
「じゃ、一緒に会場に行きましょうよ。」
「んだな。弓弦たちはどうしてるんだ?」
「さぁ、いけばわかるんじゃないですか?」



記者会見後、一度控室に引けた後はなと弓弦とリハをしその後西村と弓弦のリハ。
それが終わってMartinと誠・貴志・真志・俊哉・弓弦とでのリハという風に一度流してリハをした後
時間までまだあると思いそれぞれの控室で身支度を整えくつろいでいた。
会場の準備も済んで招待された人たちが入り始め席が埋まり始めている。
そんな中に西村と誠とMartinが会場に入ると少しざわめきが起こった。
あたりを見回すとすでに原田は席に座っていたがJanisとはなは咳を回り関係者たちと話をしている。
弓弦はというと貴志と俊哉と真志とでステージ横のところで何やら話をしていた。
西村と誠が入ってきたときは気付かなかったが、周りがざわついた時に気づき「こっち」と声をかけた。


「みんなでどうしたんだ?」
「ちょっとさ。ちょっと、リハでは合わせたんだけどステージの広さがね。気になっちゃって。」
「でも人ながら合わせたんだろ?」
「ん・・・・・・。まぁ、大丈夫ということにしておこう(笑)」
「それよりもみんな座り始めたぞ。俺らもテーブルにつこう。」
「そうだね。」

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