愚図

退屈


騒々しい夜だ。
昼下がりのあの平穏は一体どこへ行ってしまうのか、眠れない日々が始まる。

受け入れ難い他人を引き入れて、そこまでして傷付きに行く必要があるのか、と考える。
空っぽになってしまえばあとはもう、目を閉じるだけだ。
暗い夜の高速道路。
声を張り上げて歌う。
車を止めてはいけないように、歌い続けることをやめたら泣いてしまうと思った。

地獄の様な時間がただ過ぎていくのを待つ。
昨日の今頃は、とか考える。
吐き出したい下らない色々を、床に撒き散らしたって泣きながら口に押し込むしかなくて、苦しみでいっぱいになる。
こうして過ぎていく時間の中で君がまた居なくなってしまうのではないかと不安になって、ぶっ刺されても動き続ける心臓が良い加減破裂しそうだ。
それでも、悲しみの中で身体を抱いて朝が来るのを待つのだ。
希望の朝。


ーーーーー

スピードを上げて走り去る車を眺めていた。
寒さで体が震えて、ひとりきりになって煙草を吸う。
一体どのタイミングで突っ込んだら死ねるのか真剣に考えて、止める。
あのひとの嫌う私の無鉄砲を今ここで発動すべきではない、とか思いながら。
でもそれでもあの時死ねたら、良かった。

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